二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.82 )
日時: 2010/11/25 21:32
名前: 泡沫 ゆあ (ID: q1TRkyxI)

第二七話;その執事、出港


「おい、何で僕とハニーが同室なんだ!!」
「害虫と一緒の部屋とか無理。絶対いや」

シエルは隣のセバスチャンとセレスティの部屋に乗り込んできた。
背中にはハニーを背負って。
・・・・・ハニーの方が身長が高かったはずだが。

「申し訳ありません坊ちゃん。ハニー様がどうしても、と仰いましたので・・・・」
「お客様の御要望を最優先にするようにとの、シエル様の御命令でしたのでそうさせていただきました」

何か粗相でも?と言いたげな顔をする二人。
セレスティは無意識だろうが、セバスチャンは意図的にやっているのだろう。

「・・・・もういい、わかった!!!夕食ディナーは九時からだ。わかったな?!」
「「イエス・マイロード」」

腹を立てながら出て行ったシエル。
ハニーは引きずられるような体制でシエルの後についていた。


「・・・・・日本、か・・・」
「何か不安でもあるのですか?セリー」

ふぅ。とため息をつくセレスティに、セバスチャンは心配そうに尋ねた。

「不安はあるよ、初めての場所だし・・・・・。
 でもそれ以上に・・・・期待してる。
 もしかしたら、お嬢様について何か分かるかもしれない」

その深紅の瞳には、意志の光がともっていた。
忠誠を誓った主への、契約の光が。

「・・・・そうですね、何か見つかればよいのですが・・・・・・。
 でも、忘れないでください」

セバスチャンはセレスティの頭をそっとなでる。

「貴方は、私とは違うのです」
「・・・・・わかってる、忘れたことなんて一度も無い。
 それが唯一の違いで、貴方との差だ。
 ・・・・・・・・・・私の、烙印だ・・・」

セレスティは眉を歪めてセバスチャンの手を握った。

「・・・・・・・さあ、もうすぐ夕食の時間です。準備に取り掛からなければ」
「はい、セバス兄様。・・・・・・でも準備をする必要などないのでは?」

だって、ここは船の上ですよ?

シエル一行を乗せた豪華客船は、日本へと向かっている。
新たなる惨劇の会場へと・・・・。