二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師シャンバラ編 +*この世界はどこまでも…*+ ( No.10 )
日時: 2010/07/22 20:20
名前: 林歌 ◆ZSx.VzPiSs (ID: EBIrcfyl)
参照: http://www.megavideo.com/?v

      Ο+第2話 ジプシー+Ο

「いったたぁ〜……。もう馬鹿エド! アホエド! 錬金術オタクエド!」

「わ、悪いって……。ハイデリヒ、大丈夫か?」

「え、えぇ。ラオマもエドワードさんも、大丈夫?」

 黒髪の少女は、ラオマというらしい。ニッコリと微笑みながらうなずいた。
 エドワードは立ち上がると、道をのぞいた。そして「おーい」と声をあげながら手を振っている。

「ボク達も行こう、ラオマ」

「うん」

 ハイデリヒがラオマを立ち上がらせて、エドワードの横に並んだ。
 見ていると、むこうから車が走ってくる。エドワードはそれに向かって叫んでいるらしい。

「ゴホッゴホッ……」

 ハイデリヒが苦しそうに咳をした。ラオマはハイデリヒの方を向く。

「大丈夫? ハイデリヒ……?」

「寒くなってきたからね……」

 ラオマは持っている鞄の中から、温かそうなマフラーを取り出すと、ハイデリヒに手渡した。

「ありがとう、ラオマ。ラオマこそ、今日の体調はどう?」

「うん……。ちょっとしんどいけど、大丈夫だよ」

 その時、車が止まった。運転席のおじさんが言う。

「カーニバルかい?」

「うん」

 エドワードが言うと、おじさんは「乗りな」と言った。

「このジプシーたちも、カーニバルで店を出すんだとさ」

 車には、ジプシーと呼ばれる数人の少女達がのっていた。
 エドワードが乗り込むと、ラオマが乗り、最後にハイデリヒが乗り込んだ。

「コホコホッ……」

「あら貴女、大丈夫?」

 ラオマが咳をしていると、ジプシーの1人の少女が心配そうに尋ねた。
 ラオマは微笑み返した。そしてその隣では、エドワードが少し頬を赤らめながら尋ねていた。

「あんた達、何の店を出すんだ?」

「いろいろ。歌も、芝居も」

 長い黒髪にウェーブをかけている女性が、ゆったりとした口調で言った。

「君は?」

 ハイデリヒが、占い師のような格好をした少女に聞く。
 ラオマもその少女の方を見た。

「こいつは占い。よくあたるって評判さ。気味が悪いほどね」

「人に知られたくないこと、みーんないい当てられるよ!」

「へーぇ。すごいねぇ」

 ラオマが言う。ラオマは目の前の少女を見つめた。

「まぁ、私はあんまり見てもらいたくないけど」

「オレも同意。ていうか、非科学的だし」

 ラオマとエドワードが同時に言うと、少女は少しむっとした顔になった。
 そして、エドワードとラオマの肩に手を置く。

 途端、少女の顔は驚いた表情になった。

「あなた達も同じね……。故郷が、ない」

「!!」

 ラオマとエドワードは、同時に息をのんだ。

「見えたよ! カーニバルだ!」

 明るい声がし、皆の視線がそちらに向く。だが、ラオマは俯いていた。
 少女は少しの間ラオマを見つめていた。

 その時、黒髪にウェーブをかけた女性が歌い始めた。
 それにつられるかのように、エドワード、ハイデリヒ、ラオマ、少女以外の皆が歌い始めた。

 ラオマは俯き、エドワードは少し悲しそうな表情で、一点を見つめ、ハイデリヒは少女を見つめていた。
 その少女の視線は、エドワードとラオマを行き来していた。

   *・。・+。・。○・。・。・+。・。*

   あとがき

林歌*はい、やっとジプシーの少女登場です。そして今回すっごく長くなってすいません

エド*逆に読みにくいんじゃねーの?

ハイ*長すぎると、読者さんがあきてしまいますよ?

林歌*仕方ないじゃん! 動画見ながらやってたら、オープニングまで結構長かったんだもん!

少女*というか、ジプシーが歌い始めた歌の歌詞、分からないの?

林歌*分かるわけないだろうが。カーニバル、って言ってるのは微妙に分かったけど

エド*それ、ホントにあってんのかよ

林歌*……さぁ

 ☆ 読んで下さり、ありがとうございました ☆