二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.7 )
- 日時: 2010/08/24 14:56
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
——君、強いね。
唯一の共感者。
—Flame,03— 共感者の思考
「改めてみると平凡すぎるな。まぁ、ソレが唯一の救いなんだけど」
俺は目の前にそびえ立つ並中を見て楽しげに笑う。
(平々凡々な毎日を送るんだ、俺は此処で!)
転校生としてきたのには訳がある。
何でも、中学生が学校に通わないのは可笑しいから。
正論だ。
「ねぇ、君が転校生の境界空?」
「あ、ハイ!そうです!」
俺は演技という駄目駄目な中学生を演じる。
俺の顔を見て目を見開く目の前の少年。
「(あの草食動物と似ているな・・・、いや)ねぇ、君、その演技を止めなよ」
「え、演技ですか!?俺はそんな事してませんよ」
「しらばっくれないでよ。僕には判るんだからね」
俺は諦めて、何時もの表情に戻す。
その変化に驚いたのか、少年は目を再び見開いた。
「俺が演技している事、アルコバレーノには知られたくないんだ。秘密にしてくれるか?」
「アルコバレーノ・・・赤ん坊の事かい?別にいいけど、その理由を教えてよ。じゃないとバラスよ?」
「わーった、判ったから!頼むからばらさないでくれ・・・」
俺はうっと顔を俯かせた。
「じゃあ、応接室においで、こっちだよ」
俺は少年の後を追う。
「あのさ、お前、名前は?」
「雲雀恭弥。風紀委員長だよ」
そういって、バサッと学ランを翻した。
黒い制服が、風に揺れる。
「・・・まさかとは思うが制服しか持ってないのか?」
「持ってるよ。だけどコレが気に入ってるんだ」
俺はふぅん、と言って、後を追う。
◆
「此処が応接室だよ」
「(此処だけ豪華な気がするのは気のせいか?)」
俺は応接室に入り、中央に置かれたソファに座る。
向かい側に雲雀も座った。
「君、コーヒー派?紅茶派?」
「・・・紅茶が好きだな」
「ホラ」
コトッと、紅茶を置いた。
俺はその紅茶を口に含む。
「で、君は何で演技をしているわけ?」
「・・・話せば長くなるが、簡単に言えば俺はボンゴレの最高機密の・・・ボンゴレの人間秘法とも言われてたんだ。ボンゴレの総本部に居た時、散々酷い目にあったから逃げてきたんだよ。で、アルコバレーノにばれない様に・・・ってか俺が平々凡々に暮らす為に演技をしてるって訳だが」
「・・・ヘェ・・・」
クスリと笑う雲雀に、俺はフッと笑う。
「君の目は、肉食動物でも草食動物でもない物だよ。君の目はどちらでもない光だ」
「・・・って言うか、あのさ。俺、もう行かないとやばいんだけど」
俺は時計を見て呟いた。
「君のクラスは二年A組だよ」
「ん、じゃあな。「 恭弥 」____」
「・・・」
俺は応接室を後にした。
初めての共感者だ。
俺は足取り軽く、歩き始めた。