二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ—序章— コメント下さい!! ( No.58 )
- 日時: 2010/12/06 23:15
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
Capter Ⅸ —形見—
「魔法を使ったことが無いってことは・・・。マテリアも持ってないのよね」
「う〜ん・・・。でも、それのことマテリアって言うのなら、わたしひとつだけ持ってるかも」
エアリスは自分のリボンに忍ばせてあるクリスタルのように透明な玉のことを思い浮かべた。
ティファがかしてくれたマテリアの色。あれとは少し違うけど・・・。
でも、彼女の説明してくれた魔法、支援、コマンド、独立と、召喚。
その碧、水色、黄色、紫と赤のどの種にも、エアリスの持っているものとは違うようだった。
だけどそう、あれは・・・。
「そのひとつはね、いつも身につけてるものなの。でもつかえたことも、なかったから・・・」
「それで他のも使わなかったわけか。使い方を知らなかっただけじゃないのか?」
突然彼女の後ろから、心の中で思っていたことを言われて振り返るとクラウドがいた。
多少驚いたが、歩み寄ってくる彼を会話の中に入れるために数歩ティファのほうにずれる。
「そうじゃ、ないけど・・・。だって今のも、知らないままやったの。だけど別にいいの。身に着けてると安心するし」
エアリスはそこで言葉を切る。
精一杯の笑顔を作り、「そう、それに・・・」とつぶやき、言葉を続けた。
「母さんの、残してくれたものだから・・・。今のお母さんじゃなくって、本当の母さんの・・・」
ティファは少しすまなそうな顔をして、エアリスを抱きしめた。
ごめんね、辛いことを思い出させちゃって。とつぶやいて背中をやさしく叩いた。
クラウドはわずかに目を伏せてエアリスを見た。
「ありがとうティファ。でも、もう平気。そりゃあ・・・あのときはつらかったけど今のお母さんもいてくれたし、わたしにはみんながいる。ティファや、クラウドやザックスも。レノや、イリーナと、シスネもいる。一人じゃない、そう実感できる」
エアリスは花のように、儚げに笑った。
うん、とティファが頷く。
あれ?とエアリスはティファの後ろを見つめる。ティファもつられて後ろを見る。
「クラウド・・・・・」
「な、なんだよ」
ぷ、とティファが噴出した。
ふふ、とエアリスも笑う。
顔を見合わせた女性二人は再び笑う。
「どうしたのかな?クラウド君?顔が赤いですよ〜」
二人は声をそろえてそう言い、思い思いに笑った。
な!?と言う顔をしたクラウドは慌てて顔をそむける。
ポーカーフェイスも今崩れたねーと、笑いあう女性軍をよそにクラウドは顔を見られないように必死だった。
そこへ赤毛のあの人が登場する。
「なんだよなんだよクラウド君。きみねぇ、両手に花は反則だぞ、と。ザックスに取られない内に纏めてとっとこうってか?そりゃないぞ、と」
「反則も何も無いだろ・・・」
クラウドはあきれたように肩をすくめた。
「あーもー!!みんなそればっかり!!やめてよね、もう!!それは、違うって言ったのに!!」
「じゃあ誰といたってカンケーないよな?文句も無いはずだし。・・・ということで、行こうぜ」
え、とエアリスが驚いているうちに、レノは彼女の腕を引っ張って二人から引き離した。