二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く 番外編up! ( No.75 )
日時: 2010/11/21 11:30
名前: 瑠々 (ID: 5YaOdPeQ)

第十九訓「桜が散って」


(———え・・・・?)

月奈は自分の目を疑った。
月奈は確かに刀を振り上げた。でも切っ先はまだ月奈の頭の上にあり、凛に当たってない。
なのに何故か凛の体から噴水の様に血が飛んでいるのだろうか。

「・・何・・・で・・・?」

月奈は刀を下ろすと呆然とした。血吹雪を上げて倒れていく凛を、ただ呆然として見るしかなかったのだ。

「・・・ごめんなさい・・・。月奈ちゃん・・・」

月奈の後ろから声がした。

「———蓮・・・?」

蓮の手の平にはクナイ。月奈は目を見開くと、
「まさか——・・・」と言った。

「あの後、ずっと考えてた。凛を助ける方法を・・・。
でも答えは殺す事しか出なかった・・・」

「それで凛を・・・?」

月奈の言葉に蓮は首を振った。

「凛は忍者の家系に生まれてきた事を誇りに思っていたの。だから「・・・出て行った私を、殺したん・・・でしょ・・・?」

蓮の言葉を遮るかのように凛はゆっくりと言った。
「凛ッ!!」と言いながら蓮は凛へ駆け寄った。

「・・私は、蓮に「私を遠くにやって」って、お願いした・・・、の。そして、どこかで・・再会したら・・・・私を殺してって・・・」

凛は月奈に笑い掛けた。
その微笑みは邪気の無い、優しい笑みだった。

「・・・ごめん、ごめんね。凛・・・」

蓮は血だらけの凛をそっと抱きしめると泣きながら誤った。凛はそっと目を瞑り、

「本当は・・・、ずっと、一緒に居たかった…」

凛は一筋の涙を流した。




 桜が散って

 空に厚い雲がかかると
 
 思い出す

 弱虫で

 ずっと

 泣いてた

 笑顔が咲いた

 もう戻らない

 愛おしくて

 懐かしい








————遠い記憶——————・・・・・