二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.28 )
- 日時: 2010/12/06 21:58
- 名前: 海苔 (ID: Rc3WawKG)
- 参照: 何をしたら俺の心は満たされるのだろう
第十六訓 ポスターを作るときは何を効果的に伝えたいか考えること
「『諦めろ』って。あの鬼の副長め!」
一人部屋で叫んでたら空しくなってきたので、諦めて紙とペンを取り出した。
机の上に広げて、どんな内容にしようか考えていたときだった。
私の部屋の障子が開き沖田さんが入ってきた。
「めんどーなことになっちまったじゃねぇか」
「あー、おっきー」
「勝手に変なあだ名つけんな。それで今から何始めるんでィ?」
「ポスター作るんですよ。なんか『真選組にようこそ!』的なものを」
「ポスターねぇ。そういうのはインスピレーションで……ちょっと貸してみな」
私の隣に座って紙にスラスラと書いていく。横顔綺麗だなこの人。
ほら完成、と言って紙を掴んで目の前に上げる。
【 Mな奴募集中
どんなことがあっても弱音を吐かない
強い奴。来れるもんなら来てみやがれ。】
「ダメに決まってんだろぉっ!!!」
紙を奪い取りびりびりに破ってゴミ箱に捨てる。当の本人は口元に手を当てて驚いている。
「どこがダメなんで」
「あなたは真選組の評判ぶっ潰す気ですか!? せめてこれくらいのものでしょうよ」
新しい紙を引っ張り出して書き始める。途中汚い字、と囁かれたが気にしない。
出来たものを沖田さんの目の前に突きつけた。
【 〜恋する真選組〜
あなたは真選組で働くことになった新人隊員!
様々な相手と仲良くして親密度UPしよう。
親密度が上がればいろんなイベントが発生!?
さぁ、あなたは誰と恋をする————?】
「どこぞの乙女ゲームだ」
沖田さんのこの言葉を発端に二人でボケ合戦が始まったのは言うまでもなかった。
例えば、土方さんはどういう人がいいのだろうとなれば【マヨについて語れる人募集】となり。
はたまた【オタトークできる人求ムww】などバカまる出しのものもあれば。
【心の傷が癒えない人悩み聞きます】となんだかんだ訳が分からないものまで出されて。
すべて紙くずとなるのであった。
——
障子の隙間から夕日が差し込んできて部屋が赤く染まっている。
山盛りの紙くずの中。二人で寝そべっていたとき廊下から足音が聞こえてきた。
真っ赤な日が部屋いっぱいに入った。逆光で顔がわからないけど土方さんだなと、タバコのにおいで感じ取り怒られるのでした。
——
次の日。私は町中に昨日徹夜して作ったポスターを貼っていた。
【 真選組隊士 求ム!
どんなことがあっても対応できる人。
男女問いません。給料それなり。詳しくは真選組まで】
貼りながら思っていたこと。
来ねぇだろ。