二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第三章終了 ( No.108 )
- 日時: 2010/12/17 12:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: mY4PpL58)
第四章
無事に朝が来た。
前回のようにB・S団が逆襲にくることもなく、見張りを続けながらではあったが、皆眠る事が出来た。
「秀夜さん、一日でローマへ行きますか? ローマとなると結構時間がかかりそうですが…」
綾が訊いて来る。秀夜もそこを心配していた。
目的地が急に遠くなった。だが、その心配は無かった。
「何だ、知らないのか? 途中のインドあたりに中立区域があるんだぞ?」
何故かそんな事を知っている平治が言った。
「中立区域?」
「ああ。そこだけは人間とB・S団関係なく過ごせるそうだ。とは言ってもインドの周りが徹底的に支配されてるから、無事なのは先住民だけだがな」
どうやら、そこにいる間は敵に襲われずにすむらしい。
しかもちょうど目的地への道のりの中間に位置している。
「よし、まずはインドの中立区域に向かうぞ」
秀夜が皆に告げた。皆準備を済ませ、ボードに乗る。
中間の位置と言えども、元々の距離が非常に遠いため、インドも結構遠くなる。
「ほわあー、町が何一つ見えねえなこりゃ」
秀夜たちは現在山脈を通過している。空気がかなり薄い。そして寒い。
「当たり前だろ、京。山のこんな高いところにある家なんて、休憩の宿くらいだろ」
考えればすぐに分かる事である。ところで、このボードって燃料とかないのか?
何だか不安になってきた。
「平治、中立区域って何があるんだ?」
「あー、宿やら店やらだな。結構便利な所だ。B・S団だけの世界だと少し不便だから、人間の文化を少し残した場所が、中立区域になったそうだ」
やけに詳しい。平治の得意分野なのだろうか?
「問題はだな…当然だが日本語が通じないということだ。英語が話せればインドでは何とかなるはずだ。インドは昔、イギリスの植民地にされ、イギリス人は英語を話すから、その影響で今でもインド人は英語が話せるんだとよ(実話です)」
ここまで詳しいと少し怖い。皆も感心している様子だ。
「へ、へえ〜。ま、まあ俺は英語得意だから、何とかなるだろ」
そんなことを話しながら、六人は飛び続ける。
インドに着いたのは、昼過ぎだ。
朝早く出発したのだが、かなり時間がかかった。
「ほお〜。すっげえなこりゃ」
かなり発展している様子だ。現代人の技術に、B・S団の力が加わり、ここまで発展したのだろう。
店が立ち並んでいる。とりあえずボードは隠し、町へ出てみる事にした。
ところが、日本人なんて一人もいない。聞こえてくるのは、現地の言葉か英語だけだ。
「おいおい、どうすんだよ。英語喋れるの秀夜と平治だけだろ?」
京が呟く。
由衣が目を輝かせている。この年代の女子は、こういう所にひきつけられるのだろうか。
その時だ。
「あれ? 君、もしかして柊君かい?」
唐突に聞こえた日本語。秀夜が慌てて後ろを振り向くと—
「あ!」
そこにいたのは—
「やあ、久し振りだね」
「ほ、峰遠チャンピオン、津和吹 大悟さん!」
続く