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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*琴萩皐月 ( No.6 )
- 日時: 2011/03/23 07:15
- 名前: 翡翠 (ID: 2fGMg0kq)
*皐月*
「此処が、安倍家…」
私は門の前でそう呟く。
『不安か?皐月?』
返答してくれたのは私の肩に乗る銀色の毛並みの狐だ。
「違うの、ただやっと、この日が来たんだなと思って」
そんな事を話していると、
門が突然開く。中から出てきたのは…
「全く、じい様も人使いが荒いよなー」
小柄な少年だ。歳は、14くらいに見える。
「昌浩、しゃべってる暇があるなら、手を動かさねぇと・・あ」
少年の肩に乗っていた生き物と目が合う。
「もっくん?急に黙ってどうしたのさ?」
首をかしげながらも、白い生き物が見ているほうに視線を向ける。
そして、少年は声にならない声で言った。
「も、もしかして・・今日来るはずのお、お客様…」
硬直する少年に代わって話し出したのは白い生き物だ。
「あー。硬直してるこいつの代わりに言うな。固まってるのは、晴明の孫の安倍…」
白い生き物が晴明の孫と、口にした途端。硬直していた少年は口を開き言った。
「孫言うなーーー!!」
いきなり叫ぶ少年に私が目を見開いていると、
「昌浩、いつまでも客人を門の前に立たせたままというのは感心しないな」
門の方から短い真っ直ぐな漆黒の髪を持つ、長身の女性が現れた。
その衣で立ちから人ではないことが一目でわかる。
「勾、ちょうど良い所に来た。昌浩は使い物にならん。晴明のところまで、代わりに案内してやってくれ」
白い生き物に言われた女性は了解したと言って私を晴明様の部屋まで案内してくれるのだった。
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