二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ワンピース 天まで… ( No.18 )
- 日時: 2011/03/24 09:05
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第13話 自分の罪〜
船が離れたと同時に、“声”も消えていった。
謎も多かった。
“リアナ”の事。
王女が直々来た事。
そして、この船が“狙われた”事。
膨らんだ悲しみは、安易には消えてくれなかった。
「ティルアー!王女が来…た」
ルフィが声をかけたのも、途中で止まった。
ティルアが、泣いていた。
「お前…」
「な…によ。」
うつむいたまま言葉を続けていた。
急いで涙を拭いていた。
「笑いたければ、笑いなよ。」
「別に。」
ルフィは、ティルアの隣に座った。
「この船は、狙われたわ。」
「何でだ?」
「潜水艦が一機、今もある。それ以外だとしたら、王女がわざわざ自分の国を出る事もないわ。」
日は傾き、いつの間にか夕日が見えていた。
「お前さ、偶には頼れよ。俺らをさ。」
ティルアは、またうつむいた。
軽く言ったルフィの言葉が、またティルアを考えさせた。
表では、騒がしい声が聞こえる。
「頼る…か。」
「ま〜決めんのはお前だけどな。」
にっ、と笑うと、ルフィは表へ帰った。
“頼る”のは、今まで人を裏切り続けたティルアにとっては、厳しい事だった。
ティルアは、また夕日を見つめていた。
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夜が更けると、また外で寝ていた事に気づいた。
まだ夜中なのか、辺りは暗い。
起き上がって船の先を見ると、霧の先に島が見えた。
「レイシアの出島…そんなのがあったんだ…!」
するとすぐに、当然のように番人が見えた。
雇われた、巨人だった。
ティルアは、誰も起きそうにないことか分かると、座っていた横にあった刀を抜いた。
上った朝日に、刀が光る。
「海賊か…!?止まれ!」
「…大声、出さないで頂ける?」
ティルアが先制し、刀が巨人の腕を貫いた。
こんな事では、星の数程の罪は拭えないだろう。
でも、少しでも認めてもらいたい。
自分でも、こんな人生で終わるのは嫌なのだ。
人を裏切り、人に無理やり従う。
「コノ…!!」
巨人は、持っていた槍を振る。
横によけるが、腕を少し切った。
ティルアの目線は揺らがない。
「風鳴…」
仲間が欲しい。
何も打ち明けられる、仲間を。
「“凛”!」
吹き荒れた風は、刃物のように巨人二人を切り裂いた。
巨人の門番二人は、崩れるように倒れていった。
「ーーっ!!」
ばっくりと開いた傷に、顔をしかめ、膝をついた。
血が滴り落ちていた。
「侵入者だ!!捕まえろ!!」
「だから、静かにしてって言ってるじゃない。」
苦痛の中、立ち上がった。
数百人近くが現れる。
気がつくと出島の見張り番全員が出ていた。
「出島の朝は早いのね…」
ティルアは、刀を構え直す。
時が一気に加速したように、出島の見張り番全員がティルアに襲いかかる。
「上竜・火香!!」
巨人こそ居ないものの、人数は巨人に匹敵した。
倒しても、倒してもキリがない。
「(でも…負けるわけにはいかないんだ!!)」
ティルアを照らしていた朝日は、良くか悪くか、上がっていった。