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「急に呼び出すなんて、豪炎寺らしくないよ」





桜が舞散る中、一人の少女は誰かに声をかける。





「悪いな」





綺麗な声で、誰かが返事をする。





「で、如何したの？」





「…お詫びをしに来たんだ」





「え？」





予想外の返答に、少女は戸惑った。





「お詫びって…一体何を」





「正確に言うなら、謝罪というか…」






「そこまで畏（かしこ）まらなくてもいいよ。大体、豪炎寺は何も悪いことはしてないって」





「…したさ」






「？」





「あの時、何も言わずに去ってしまったことだよ」






その言葉で、何のことかが分かった。






「…お前にだけは、本当のことを言う約束だったのに」






「その約束、覚えていたんだ」






























———おまえ、なまえなんていうんだ？





———みらい。"ときそらみらい"





———いいなまえだな





———きみは？





———"ごうえんじしゅうや"





———きみのほうがいいなまえだよ





















———ともだちになろうよ





———え？





———わたしは、ごうえんじとともだちになりたい





———ときそらがいうなら、なる





———じゃあ、きょうからなまえでよぼうよ！





———いやだ





———なんで？





———はずかしいから





———じゃあ、いつものでいいよ





———ときそらはなまえでよんでもいいんだよ？





———いやだよ。わたしひとりがなまえでよぶなんて、ずるいもん




















———ねえ





———なあに？ときそら





———やくそくしようよ。わたしたちふたりだけの





———どんな？





———えっとねぇ…ごうえんじとわたしだけには、ひみつをいってもいいの





———いいぜ





———やくそくだよ？





———うん






























「あんな我儘（わがまま）な約束に付き合うなんて、思ってもみなかった」





「今まで俺達は友達だったじゃないか」





「今までじゃないよ」





「そうだな、"これからも"だな」





「うん」と優しく微笑む。





「だが、俺は少なくともお前だけには言わなければならなかった筈（はず）なのに…」





「自分を責めないで。こっちが悲しくなってくるよ」





「許してくれるのか…？」





「当たり前でしょ？友達なんだから」





「…有難う」





少年は、背中に隠していた何かをぎゅっと握りしめた。





少女はそれに気付いた様だ。





「…これ」





少年の手には、一輪の白い花が。





「それは？」





「この花の花言葉は良いイメージを持っていないが、全部がそう言う訳じゃない」





「そうなの？」





「この花の数多くある花言葉の中の一つ。それは"再会"」





「確かに、今の私達には合ってるね」





「そしてもう一つ」





「？」





「それは















































　　　『想うはあなた一人』」












































少年は、少女に優しく微笑んだ。





その言葉を聞いた途端、少女は涙を流した。





少年は、少女に対して優しく微笑んだ。





≪白い曼珠沙華 —想うはあなた一人—≫





＊Postscript（後書き）＊

　初めての恋愛もの。だけど結果は恋愛じゃないっていうね！＾q＾
　豪炎寺攻めで未来（オリキャラ。詳細>>3）受けのを作りたかった。第1号だし。
　『曼珠沙華』って言うのは、『彼岸花』の別名です。「何で春なのに彼岸花があるの」って言うリアクションは受け付けません。
皆さんは、彼岸花は悪いイメージしかないと思いますが、私が基本的に好きなだけです。えぇ。
で、最後の『想うはあなた一人』は告白に使えそうだったのでこれに即決定。
好きな女性に彼岸花を渡すのも如何かと思いますけどね（お前が言うな
　ヤベェ、こんなクオリティだからリクエストなんて受け付けられねえ＾q＾受け付けても絶対来ないオワタ＼（＾O＾）／