二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.6 )
- 日時: 2011/02/26 14:11
- 名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)
咽元突きつけた殺し文句は僕の息を奪ってしまう
春のにおいを感じつつソファの上で二度寝。これって天国じゃない?天国に逝けない俺のゆるやかな天国。そんな俺だけの世界に現れた可愛くねー黒猫一匹。
「・・・てか何で居んの」
「久々に江戸を散歩しようと思ったら、此処に辿り着いた」
「はッ、腐れ縁ってのは嫌だねぇ。んで何?手土産のひとつも持ってねーの?」
「金なら余るほどあるぜ」
「おおっ!じゃあパフェな」
その女物の着物じゃあ、目立つんじゃねーの?という俺の心配もお構いなしで、高杉はずんずんと足取りを進める。
小ぢんまりとした喫茶店に辿り着き、洒落た雰囲気の店内に入ると、なにやら怪しげな雰囲気だった。
「なー、パフェとかぜってー無ぇだろ」
とガッカリしていたところ、御品書きを眺めればあるではないか!これこそ天国。ストロベリーパフェひとつぅ!
目の前の糖分を幸せ気分で食べていると、高杉がふいに口を開いた。
「銀時よォ、お前、まだガキとつまんねー正義ごっこやってんのかよ」
その声に多少はムッとしたが、なんとも無いように答えてやる。
「俺もヅラも坂本も、今を生きてるぜ。高杉。お前の時間だけ、止まったまんまだ」
「・・・・・・こないだ、真選組に女を一人送ってやった」
話を逸らすようにそいつは言う。
「女って、お前の?」
「そーいう意味じゃねえよ。解りやすく言やぁ、駒だ」
「っつーと、来島って奴か」
やけにパンチ効いた奴。高杉はもっと面食いになればいいと思った。
「違う。別の奴だ。・・・ありゃあ、イイ女だぜ、銀時。お前に紹介してやりてーよ」
興味ねぇなあ。ウチにはじゃじゃ馬姫とダメガネで結構。
「んで・・・そいつに真選組を潰させると?」
「ああ。まあちょっとした遊びみたいなもんだ。成功するとは思わねーが。こういうの、楽しいぜ」
俺はなんだか眠たくなって頬杖をつき眼を閉じた。すると隙あり、というように高杉が俺のパフェの最後の一口を口に運んだ。
「・・・・っあ゛ぁあああああ!」
「っるせーよ馬鹿。迷惑だ」
「っテメ何してくれとんじゃあ馬鹿杉!ちびすけ!」
「テメーが話し聞かねぇからだろ。俺はお前を誘う途中だっつーのに」
「・・・あのねえ、今の俺も見てくださいよ」
奴は俺をじろじろと見る。観察するような不快な眼つき。そして溜息を吐く。
「丸くなったお前には興味ねーよ」
「あー?そんな太ってねえだろ」
「そういう意味じゃねえ」
お前さあ、誘っても俺が来ないこと知ってて、なんでわざわざ金だけ使うようなことすんの?まあ有り難いけど。そう言ってみると、
「暇つぶし。お嬢さんがいねーから、退屈してんだ」
珍しく機嫌のいい声で返された。俺はこいつが其処まで女に執着するところを見たことが無かったので、その女紹介してくれ、と呟いた。
奴は貼り付けたような笑みを浮かべるだけで、何も言わなかった。