二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 御兄誘拐・partⅡ 【ボーカロイド】 参照150越え!? ( No.53 )
- 日時: 2011/04/01 20:34
- 名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: 1sGb2NBG)
一章#2 喧騒が増えタ日の事デ、
ぴんぽ————ん……
家のインターホンが頭に響いた。
私は、メイコは死んだ目になっているレンを横目で見ながらすくりと立ち、玄関の前に行った。
(あれは・・・クロ○コヤマトの車・・・)
小さな覗き穴から目を凝らしてみると、目に残るあの黒猫のCMが蘇りそうな車が止まっていた。
家の前には深く帽子を被った配達員が四角い箱を持ち、おずおずと待っていた。
がちゃり、とドアを開けると配達員が待ってましたとばかりに判子をせがんだ。
「は……判子をお願いします!」
「はいはい、ちょっと待ってね……」
とたとたとメイコは、戸棚をごそごそして判子を取り出し、ぽんと押した。
そしてその小包をメイコへと渡し『ありがとうございました!』と元気な声をあげ、配達員は車に乗って何処かへとまた荷物を運び出した。
「この中身何だろう……一応マスター宛に届いてるけど……」
ちらり、と横の文章を読んでみると。
『通販限定! 超レア30点のスーパー☆クオリティボーカル・アンドロイドが貴方の手に! ‐アリス‐はより高い音質! はてしない音域! 美しい響きが耳を通り抜けます!』
「…………はぁ」
またあのバカマスター……レアとか……衝動買いにも程がある。
アリス、ねぇ。声キンキン響きそうで怖いわー……
すると、上からどたどたと荒い足音が聞こえてきた。
これは……もしや。
「なぁ、メイコー! アリスたん届かなかったかい?」
「たん……? ……これですか」
「おおおおお! 超レア物のアリスたんが俺の手に! よし! 今すぐインストールしに行こう!!」
マスターは鼻息を荒くして……いや、そんなおっさんじゃないし顔は悪くない。痛いイケメンとはこういうもの?
結構イケるのになぁ……いや、あのボカロ依存症のマスターは無理だ。
どんどん家族を増やしていくけど……まぁ皆に一か月に一度は調教してくれるから、私たちにとっては大切なマスター。
「あ゛、あいつ……今何してんだぁ?」
メイコはずかずかと二階へ上って行き、マスターの部屋のドアをバンッ!と荒々しく開けた。
後ろから黒いのが出てるのは気のせい気のせい。気のせいだと信じたい。
「……マスター、テラ何処やったんかい?」
「……へ、て、テラ……?」
ビクッとマスターは震えた。そんな女じゃあるまいし。
インストール中に申し訳無い。此処の所テラを見ていないから、ね。
マスターとテラは仲が良い。調教の時自分がボーカロイドのくせに神調教繰り出した時から、マスターはテラを自分の部屋に入れるようになった。
「だからテラ何処やったんじゃああああああぁあ!!(怒」
「メイコ様すいませええぇええん!! 畳の下のシェルターですうううううぅぅううう(泣」
は、シェルター……だと?
いつそんなん作ったんだコノヤロ。
メイコは畳をばかっと開けた。
.喧騒が増えタ日の事デ、
その日から、何か変わってきていたのかもしれない。
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