二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒き正義 【鋼の錬金術師】 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/13 19:29
- 名前: 刹那 (ID: MvDA3keJ)
▼序章.
夜闇の中、街灯がポツポツと光る。
裏路地に2つの影があった。どうやら、女性と少女の様だ。
女性—ラストは少女—ジャスティスに写真を渡す。
「…なんですかこれ。この金髪の少年と…鎧??なんでこんな物を私に渡すんですか、ラスト」
「人柱候補の2人よ。貴女に見張っててほしいの、ジャスティス」
「と言うかこれって…''鋼の錬金術師''って呼ばれてる、エドワード・エルリックじゃないんですか?」
ジャスティスが訝しげな顔で言うと、ラストは微笑んで頷いた。
そして写真をピラリと奪い取ると、ジャスティスによく見える様にもった。
「国家錬金術師が嫌いなようだけど、大丈夫かしら?」
「何の嫌がらせですかこれは。と言うか断っても押しつけるでしょうが貴女は。何が''大丈夫かしら?''ですか」
「わかってるじゃないの。じゃあお願いね、ジャスティス」
ジャスティスはため息をつくと、ラストを真っ直ぐに見据えた。
そしてラストが持つ写真を奪い取る。
「ジャスティスじゃありませんよ。ノエル・シンフォニーです」
「あら、ごめんなさい。じゃあよろしくね、ノエル。行ってらっしゃい。…殺しちゃだめよ?」
「ラストじゃないからそんなことしません」
そう言った後、ノエルの姿は闇に消えた。
††
※ノエルside(ここからは常に)※
「フィル…。私はどうしたらいいんですか…。どうやってあの2人に近づいたらいいんですか…」
真っ白な毛並みをしたフィル…碧の瞳が綺麗だなぁ…。
ここは汽車の中…あぁ、話しかけにくい…。
「フィルゥ〜…。なんかあの2人と話すきっかけを作ってください…」
「……ミャア」
小さな声でフィルは鳴くと、私の膝から降りた。
そして反対側の席に座っている2人…エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックの方に向かって行く。
そのまま鎧のアルフォンス・エルリックの膝の上に乗った。
「あれ、猫??か…可愛い〜〜〜〜〜っ!!!」
「なんでこんな所に猫がいるんだよ!!まさかアル…お前鎧の中に入れてたな!?」
「そんなことしてないよ!!兄さんの人でなし!!」
フィル、ナイス!!アルフォンス・エルリックの方は猫が大好きの様じゃないですか!!
すくっと立ちあがると、私は2人に近づいた。
「すいません、私の猫です。フィルって言うんです。可愛いでしょう??」
「すっっごく可愛いです!!フィルって言うんだね、君〜!!癒されるなぁ〜〜〜!!」
「あはは…」
猫マニアだな、おい。一方エドワード・エルリックの方は呆れた目で見ている。
…なんですかその生意気な目は。というかなんでこちらを睨むんですか、え?
「…悪ぃけど、とっととその猫連れてってくれるかな」
「あ、ははは…。す・い・ま・せ・ん!!!」
なんだこのチビ!!威張ってんじゃないですよ、このチビ!!
大体あなた達のせいで私もユースウェル炭鉱なんて所に行かなくちゃいけないんですよ!?勘弁ですよ、勘弁!!!
「お、着いたな」
「じゃあ、はい。フィルちゃん、さよなら」
アルフォンス・エルリックが私にフィルを差し出してくる。
だけど____________________________________
「ミャァ♪」
「あわわわわっ!!!」
フィルはアルフォンス・エルリックの鎧の中に入る。
…ナイスですね、フィル。さすが私の猫です。
「ちょ、おい!!この猫出せよ!!」
「無理です。それにフィルに強制的に何かさせようとすると、タダでは済みませんよ??」
次の瞬間、エドワード・エルリックの顔色がこれでもかというほど変わった。
そして大人しく列車を下りる。…作戦大成功♪
「フィ、フィルちゃんボクの中に入っちゃいましたし…行きましょうか…」
「はい」
正直言ってこの2人とは一緒にいたくないんですけどね。