二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 71章 雪花のジム ( No.145 )
日時: 2011/05/25 20:37
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「はくしょん!」
という情けない感じのくしゃみを聞いて、イリスはジムリーダーのところまで辿り着いた。
場所はセッカジム。このジムの通路はやけに長く、寒くて床も滑るので、とても歩き辛かった。そしてやっとこさフィールドのあるところまで来れたが、そこにはジムリーダーと思しき人物がくしゃみをしていた。
「む……チャレンジャーか」
「……ええ、はい、あなたは、ジムリーダーのハチクさんですよね?」
「ああ、そうだ。氷タイプのポケモンを主として使っている」
氷タイプ使いがくしゃみしてんじゃねぇ!とイリスは叫びたくなったが、そこは自重した。
「では、早速始めるとしよう。出でよ、バニリッチ」
ハチクはバニプッチの進化系、バニリッチを繰り出す。
「氷タイプか……Nのバニプッチ対策には丁度良いな。出て来いデスマス!」
イリスはデスマスを繰り出す。
「では、こちらから行かせてもらうぞ。バニリッチ、冷凍ビーム」
バニリッチはデスマスに向けて冷凍ビームを放つ。
「デスマス、鬼火で防御!」
だがデスマスもそう簡単には攻撃を受けず、鬼火の盾で冷凍ビームを防ぐ。
「デスマス、サイコキネシス!」
デスマスは念動力でバニリッチを攻撃する。
「続けてシャドーボール!」
さらに放たれる黒球を、バニリッチは受ける。サイコキネシスで特防が下がっていたこともあり、かなりのダメージを受けただろう。
「…………」
ハチクは黙って眼を閉じる。
「よし、まだ行くぞデスマス。怪しいk——」
「ミラーコート」
イリスがデスマスに指示するより速く、ハチクはバニリッチに指示を出し、攻撃させる。いや、攻撃というより、反射に近いが。
「デスマス!」
デスマスはバニリッチの体から放たれる光に吹き飛ばされる。その威力はデスマスの放ったシャドーボールの2倍ほどの威力だ。
「今の技は……!?」
「ミラーコート。相手から特殊攻撃を受けた場合のみ使える技だ。この技を使えば、受けた特殊攻撃のダメージを倍増させて相手に返す事が出来る」
つまり、ミラーコートとはカウンターの特攻版というわけである。
「確かに凄い技だけど、僕のデスマスはそれくらいじゃやられませんよ。シャドーボール!」
「雪雪崩」
デスマスは黒球を放つが、バニリッチの発生させた猛烈な雪崩によってかき消されてしまった。
「冷凍ビーム」
「鬼火で防御!」
バニリッチが力を溜めて冷凍ビームを放つ寸前に、デスマスは鬼火で盾を作る。いや、作ろうとした
「バニリッチ、挑発」
バニリッチは冷凍ビームの発射を止め、デスマスが動くより速く、デスマスを挑発する。
「! 挑発……!」
挑発とは、相手に攻撃技しか出させないようにする技。それにより、デスマスは鬼火を封じられた。
「冷凍ビーム」
そして、デスマスは無防備のまま、バニリッチの冷凍ビームを受けて戦闘不能となった。
「戻れ、デスマス」
イリスはデスマスをボールに戻す。
「次はお前だ。頼むぞズルッグ!」
イリスは氷タイプの弱点を突ける、ズルッグを繰り出した。
「ズルッグ、頭突きだ!」
ズルッグは頭を突き出してバニリッチに向かっていく。
「無駄だ。雪雪崩」
ズルッグはバニリッチの雪雪崩に巻き込まれる。そして
「ズルッグ、カウンター!」
「!」
雪雪崩は一応物理技。なのでカウンターで返す事が出来る。
「バニリッチ!」
「さらに飛び膝蹴り!」
カウンターで怯んだバニリッチに、間髪いれずズルッグは飛び膝蹴りを叩き込んで(蹴り込んで?)戦闘不能にする。
「戻れ、バニリッチ。……やるではないか、少年」
「少年なのは認めますが、僕の名前はイリスです。言い忘れてましたけど」
「そうか、イリスか。良い名だな」
ハチクはほとんど無表情で言う。褒められている気がしない。
「では次はこのポケモンだ。出でよ、フリージオ!」
ハチクは2番目に、プラズマ団幹部のルーも使っていたフリージオを繰り出す。
「フリージオ、オーロラビーム」
フリージオはオーロラの様に美しい光線を発射する。
「避けろズルッグ。炎のパンチ!」
ズルッグはオーロラビーム軽く避け、拳に炎を灯してフリージオに突っ込む。
「避けるのだ。フリージオ」
しかしフリージオも、ズルッグの攻撃をかわす。
「このフリージオ、意外と素早い。ズルッグだと少し苦戦しそうだな……」
イリスはそう呟く。
「フリージオ、再びオーロラビーム」
「ズルッグ、避けて炎のパンチ!」
前と同じく、ズルッグはオーロラビームを避けて炎のパンチを叩き込もうとするが、フリージオに避けられる。
「フリージオ、毒突き」
しかしフリージオの避けた後の行動が変わる。フリージオはズルッグの攻撃を避けた後、口から出ている氷の鎖の様な物でズルッグを攻撃する。
「かわせズルッグ!」
ズルッグは辛うじてその攻撃をかわす。そして一旦距離を取る。
「ふぅ……このバトル、結構苦戦しそうだな……」
イリスはそう、呟いた。



セッカジム来ました。これで7つ目のバッジを賭けたバトルになります。いやーもう7つ目ですか。思い返してみると長かったような短かったような。まあ、感傷に浸るのはこの辺にしておいて、あまり意味のない次回予告でも。次回もジム戦です。恐らく決着は次回の次回、つまり73章になると思います。では、また次回もお楽しみに。