二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 84章 怒りと協力 ( No.164 )
日時: 2011/05/31 23:53
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「んじゃ、次はこいつだ。出て来な、ローブシン」
レンジはシンボラーをボールに戻し、筋骨ポケモンのローブシンを出して来た。
「ローブシン……圧倒的な攻撃力を誇る格闘タイプのポケモンか。でも、確かローブシンは素早さが低かったはず。なら、チラーミィでもいけるはずだ。チラーミィ、スイープビンタ!」
チラーミィは持ち前の素早い動きでローブシンに接近し、硬化させた尻尾で何度も叩く。
「アイアンテール!」
そして最後に、鋼鉄のように硬化させた尻尾をローブシンの頭を叩きつける。
「決まった!」
イリスでなくとも、この状況はローブシンが大ダメージを受けたと思うだろう。確かにチラーミィもスイープビンタにアイアンテールを叩き込む際、手応えは十分にあった。しかし
「けっ、大したことねえじゃねえか」
「?……!?」
イリスはレンジの言葉に疑問符を浮かべていると、ローブシンがチラーミィを掴み、地面に叩きつけた。
「チラーミィ!」
叩きつけられたチラーミィは、苦しそうである。
「ローブシン、アームハンマー」
さらにローブシンは、拳をハンマーのように振り上げ、チラーミィに振り下ろす。
「チラー……」
ドゴォという轟音を響かせ、地面が砂にも関わらず、ローブシンの振り下ろした拳の下は、大きく陥没していた。勿論、アームハンマーの直撃を受けたチラーミィは、瀕死どうこうより、生命的に危険な状態だろうが。
「そーいやお前、人間とポケモンの世界を守るとか言ってたらしいな。でもよ、ポケモン守れねえ奴が、そんなこと言う資格があるのか?」
レンジはニヤニヤと笑いながらイリスに言う。
「……もう……た」
「あ?」
「僕はもう、キレたよ。お前は、ぶっ倒す!」
イリスは怒りを含んだ眼差しで、レンジを睨みつける。
「やってみろよ、出来るんならな」
「やってやるよ。出て来い、ワシボン」
イリスは格闘タイプのローブシンに有利な、飛行タイプのワシボンを繰り出す。
「ワシボン、燕返し!」
ワシボンは素早くローブシンに接近し、その翼で切り裂く。
「弱点突いたくらいで勝てると思ってんなよ。ローブシン、アームハンマー」
ローブシンは拳を振り上げ、ワシボンに振り下ろす。
「避けろワシボン!」
ワシボンはそれを回避する。
「逃がすかよ。ローブシン、ストーンエッジ!」
ローブシンは尖った岩を無数にワシボンに発射する。

「オーベム、サイドチェンジ!」
チェレン&ミキ対ルー&リンとのバトルで、チェレンはオーベムにそんな指示を出す。
コジョフーがツンベアーに向けて飛び蹴りを放つ瞬間。そして、ツンベアーは切り裂くでコジョフーを迎撃する瞬間に、それは起こった。
「え? 消えた……」
「へ? 消えた……」
ツンベアーに向かっていったコジョフーと、モロバレルと相対していたオーベムが、それぞれの視界から消えたのだ。ただ、一瞬だけしか消えなかったため、すぐに2人は落ち着くだろうと思うかもしれないが、そうはならなかった。なぜなら、モロバレルがコジョフーに蹴り飛ばされ、ツンベアーの目の前にいたのはオーベムだったのだから。
「な、これは一体……」
「な、これは一体……」
ルーとリンは驚いている。無理もない。いきなり2匹の立ち位置が変われば、誰だって驚く。
「サイドチェンジ。僕のオーベムはそれを使ったのさ。サイドチェンジとは、2匹のポケモンの位置を入れ替える技だ。急に場所が入れ替わったもんだから、まだ混乱してるだろう?」
チェレンの言う通り、ルーとリンは混乱していた。
「さて、混乱状態から回復する前に、決めてしまおう。オーベム、シャドーボール」
オーベムは至近距離から黒球をツンベアーに放ち、戦闘不能にする。
「それじゃあこっちも。コジョフー、スピードスター!」
コジョフーも無数の星をモロバレルに向けて放ち、戦闘不能にする。
「戻れ、ツンベアー」
「戻って、モロバレル」
ルーとリンはそれぞれのポケモンをボールに戻す。
「それじゃあ次はこいつだ。出て来い、フリージオ!」
「それじゃあ次はこの子よ。出て来て、マラカッチ!」
ルーはフリージオ、リンはマラカッチをそれぞれ繰り出す。
「フリージオ、氷のつぶて!」
「マラカッチ、ミサイル針!」
フリージオは小さな氷の欠片、というかつぶてを放ち、マラカッチは無数の針をミサイルのように飛ばす。
「ぐぅ、オーベム!」
「コジョフー!」
オーベムは飛来する無数のミサイル針をほぼ全て受け、コジョフーはフリージオの放った氷のつぶてを食らって、どちらも戦闘不能となった。
「戻れ、オーベム。……さて、どうするか」
「戻って、コジョフー。……さて、どうしましょう」
2人はほぼ同時にポケモンを戻し、ほぼ同時に腕組みをしながら考える。
「ねえ、ちょっと。僕たちの個性を取らないでよ。その喋り方は僕らだけのものだ」
「ねえ、ちょっと。私たちの個性を取らないでよ。その話し方は私らだけのものよ」
不満があったのか、ルートリンは文句を垂れる。
「いや、別に故意にやったわけじゃないんだけどね。……よし、出て来いギガイアス!」
チェレンは悩んだ末、高圧ポケモンのギガイアスを繰り出す。
「よし、私も決めたよ。出て来て、バルチャイ!」
ミキはバルチャイだ。
「さて、僕らの戦いは好調だけど、向こうはどうなってるかな?」
「さて、私らの戦いは好調だけど、向こうはどうなっているかしら?」
「何が好調なのか、僕には分からないな」
「そうですね。最終的に、勝つのは私たちです」
古代の城でのプラズマ団との戦いは、まだ続くのであった。




なかなか終わりませんね、プラズマ団とのバトル。まあ、あと2〜3回くらいで終わるとは思いますが。さて次回も古代の城での戦いです。お楽しみに。