二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アカリVSキリハ ( No.189 )
- 日時: 2011/06/12 00:16
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「ここがPDOヒウン支部ですか」
アカリは他の建造物とさほど変わりのない、大量のビル群のうちの1つを見上げる。
別段、大した用事があるわけでもないが、16番道路で出会った少年の所属する組織がここにあると聞いて、訪ねたのだ。
「ん、あれ? どちら様ですか?」
アカリがビルを見上げたまま静止していると、中から1人の青年が出て来る。
「あ、私はアカリと申します。知り合いがここの所属だと聞いて、訪ねたのです」
「僕はキリハ。ここの統括補佐をしているんだ」
2人は互いに名乗りを上げる。
「ふむ、知り合いか……滅茶苦茶心当たりがあるな……」
どうやらあるようだ。
「あの、よろしいでしょうか?」
思案するキリハに、アカリが呼びかける。
「何かな?」
「図々しい事は承知しています。それで、どうか私と手合わせしてくれないでしょうか?」
「手合わせ?」
キリハは首を傾げる。そして考える。
「んー、今リオは居ない。そして仕事もない。ただしヒウンバトル都市計画の試験運転がある……そしてなにより、僕はポケモンバトルが不得手……」
ぶつぶつと何かを言っているキリハ。たっぷり1分考えると、結論を出す。
「よし、分かった。そのバトル、受けよう」
バトル方式は4たい4のダブルバトルで、フィールドはヒウンシティ全体。これは、今ヒウンシティで計画している『ヒウンバトル都市計画』の試験運転のためだ。
「それじゃあ、バトルを始めようか。出て来い、ミルホッグ、ワルビル」
キリハはまず、ワルビルとミルホッグを繰り出す。
「出て来て、シキカ、フー」
対するアカリはシキカ(メブキジカ)とフー(コジョンド)を繰り出す。
「シキカ、宿木の種。フー、ヨガのポーズ」
シキカはミルホッグに種を飛ばし、フーは奇怪なポーズをとって攻撃力を上げる。どうやら、まずは下地作りから始めるようだ。
「ミルホッグ、火炎放射。ワルビル、砂地獄」
しかしミルホッグは火炎放射で飛んで来る種を燃やし、ワルビルはフーの足元に流砂を発生させて動きを封じる。
「ワルビル、シャドークローだ」
そしてワルビルは身動きの取れないフーに特攻し、影で作った爪で切り裂く。
「シキカ、援護です。砂掛け!」
シキカはフーを援護するためにワルビル目掛けて砂を掛けようとするが
「ミルホッグ」
砂が飛ぶ軌道にミルホッグが立ち塞がり、ワルビルに砂が掛かるのを防ぐ。しかもミルホッグの特性は鋭い目。砂掛けのような命中率を下げる技は効かないのだ。
「ミルホッグ、火炎放射」
さらにミルホッグはシキカに火炎放射を放つ。炎タイプの技なのでシキカには効果抜群なうえ、火傷状態にもなってしまう。
「シキカ、アロマセラピーです」
だがシキカはアロマセラピーを使い、自力で火傷を治す。
「シキカ、騙し討ち。フー、ドレインパンチ」
そしてシキカはトリッキーな動きでミルホッグを攻撃し、フーはワルビルに拳を叩き込んで吹っ飛ばす。
「ぐぅ。ミルホッグは気合玉。ワルビルはストーンエッジ」
それぞれ距離が離れたので、ミルホッグは気合玉、ワルビルはストーンエッジでそれぞれ攻撃する。
「シキカは接近しつつ回避。フーは見切り」
だがシキカは気合玉を普通に避け、フーは見切りでストーンエッジを回避する。
「シキカ、宿木の種」
そしてシキカは宿木の種を散弾のように飛ばし、ミルホッグとワルビルを襲う。
「ミルホッグは火炎放射で焼き払え。ワルビルはとにかく避けろ」
指示通りミルホッグは飛来する種を全て焼き払ったが、ワルビルは鈍足なため、宿木の種を避けきれず、体に植え付けられる。
「ワルビルの体力が吸われていく……なるべく早く決めたほうがいいかな。ワルビル、シャドークロー!」
ワルビルは宿木が体に纏わり付いたまま、フーに特攻する。
「フー、ドレインパンチ」
しかしフーは影の爪で切り裂こうとするワルビルを殴って迎撃する。さっきのように吹っ飛びこそしなかったが、それでもかなりのダメージだろう。
「ワルビル、噛み砕くだ」
だがワルビルもただでは負けず、フーの腕に噛み砕く勢いで牙を立てる。
「! フー、振り払って!」
言われるまでもなくフーは腕をブンブン振ってワルビルを振り払おうとするが、がっちりと噛み付かれていて、全然離れない。
「ワルビルの顎の力は鉄さえ噛み千切るほど。そう簡単には振り解けない。さて、ミルホッグ、気合玉」
ミルホッグは腕を噛まれて動きが制限されているフーに向かって、気合玉を放つ。普通なら華麗に避けただろうが、今はワルビルに腕をホールドされているので、動けない。つまり、避けられないのだ。
「フー!」
フーは気合玉の直撃を受け、戦闘不能になる。しかしその爆風に巻き込まれたワルビルもまた、戦闘不能になる。というかワルビルは気合玉が当たる直前に宿木の種による吸収ダメージで戦闘不能になっている。
「戻れ、ワルビル」
「戻って、フー」
キリハとアカリはそれぞれポケモンを戻す。そして、新たなボールを手に取る。
「出て来い、オーベム!」
「出て来て、アカシ!」
そして、ポケモンを繰り出した。