二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.277 )
日時: 2011/07/31 17:11
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)



③第七話<桜の迎え>













 円堂達は店に出た。
未来が蹴った魔物は消滅したのか、どこにも見当たらなかった。
シルキも姿を消し、残るは……







「深緑!」









 体中傷だらけになっているが、自分の槍で支え、立っている深緑だけがいた。


「……あ、隊長!」


 声は雰囲気に似合わず、かなり明るい声だった。
手を高く上げ、振ろうとするが、傷が痛むのか、すぐに手を引っ込めてしまう。
反省したのか、手を胸の前で止め、小さく振った。その表情は困ったような、複雑な顔だった。


「隊長って……傷大丈夫なのか?」
「うん。大丈夫だよ、この位」
























 皆はゆっくりと歩き、深緑の話を聞く。


「風華って言ってね。幼馴染なんだけど——その子と戦ってたらこんなになっちゃった」


 まるで誰かと遊んだように楽しそうに言った深緑。
かがりが聞きにくそうに言った。


「その、風華ちゃん? と何かあったの?」
「……うん、ちょっとね。今度話すよ——炎愁と一緒に」


 一瞬だけ、深緑の表情が暗くなった。
かがりは、彼女を傷つけてしまったかと、少しだけ後悔した。
























 その後は他愛のない話をし、そのまま歩いていた。
空が赤く染まろうとしていた時、円堂が口を開いた。


「そういえばさ、この国の王が居ただろ? 城に来いって言ってたけど、その城ってどこなんだ?あとさ、梓と憐も外に出てたよな。あいつらは何処に行ったんだ?」
「——確かに、あの二人、風華が消えてから、見てなかったな……」


 その時だった。


「——!」


 円堂達の前に風が吹き荒れた。
奴らが来たのかと、身構えた——が、その必要は無かった。
円堂の顔が明るくなった。


「お前ら!」


 青の双子の片割れ、アルリナと、ライディを探しに行った一人、佐久間がそこに立っていた。


「円堂さん、お待たせしました」


 どうやらアルは、異国の年上を“さん”付けする事に決めたらしい。


「ほらっ、佐久兄も!」
「へいへい。迎えに来たz「ぶった切るよ?」ご案内します、皆さん」
「…………」


 年下に脅されている彼は何なのだろう。
一瞬そんな疑問が浮かんだが、忘れる事にした。













「ライディ様がお待ちです。






















                    どうぞ、お城へ」