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=プロローグ=

武偵高に行く少し前ーー



私は、妹と二人で住んでいる部屋の片付け
をしていた。



父と母の“形見”である、私のS&Wと、妹の狙撃銃をトランクに詰め込んだ。



念のために郵便箱を見たが、何も入っていない。



後残りするのは、気持ちだけだった。



私は、みんなにサヨナラをしていない。


・・・・　・・
しなくて、いい。



新中２になる筈だった私と、小６になる筈だった妹は、武偵高に4月から通う。



妹は武偵中に体験として私が施設案内していた時、偶然やっていた狙撃。



あれを、“見事”に先輩顔負けの腕を見せた。


血筋から、らしい。



私も、何故か先生顔負けの推理と、一回だけやった実戦で、見事な推理・解決して見せた。



それがインターンからの編入に決まってしまった。



妹なんか特例中の特例。



小学生が入るなど、前代未聞らしいが、年齢を少し変え、“13”とし、インターンからの編入と公にはそう公開している。



私は、断れなかった。



本当は入りたくなかった。


　　　・・・・・・・
また、いじめられたら嫌だから。



学校なんて嫌い。



そう思いつつ、足はトラックへ向かっていた。



「お姉ちゃん？」



月華つきかが顔を覗き込む。



「あ…うん。」



引っ越しのトラックを見送ると、私達は後から来たバスに乗った。



揺られながら、つらい日々を消す。



気持ちを切り替えて望めば、きっといい学校生活が送れるわ。



そう思って。



「よしッ！」



バスは真っ直ぐに、=武偵高前=へ向かっていた。