二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 幻想の魔筆 参照400突破! ( No.143 )
- 日時: 2011/06/05 20:15
- 名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
- 参照: http://http://www.youtube.com/watch?v
「うそおおおお!!?」
カービィは声を荒げてしまう。
鋭利にとがった破片は、刺さったら相当痛いだろう。
降り注ぐ氷柱のように、一軍となってカービィに襲い掛かってくる。
「危なっ!!」
カービィはバックステップで部屋を出て、金色のドアの取っ手をつかみ、勢いよく扉を閉める。
盾がわりにしたのだ。
少し遅れてカカカカカカカカカ!と、破片が扉に突き刺さった音が振動とともに伝わってきた。
「危ない危ない…!どうして破片が…?」
そう悩む時間は、あまりなかった。
「えっ、ええええええええ!!?」
自分のわずか数センチ前方を、つい先ほど閉めた扉が、目を疑うほどの速さでぶっ飛んできたのだ。
グシャ!!
向かいの壁にぶつかり、扉は爆裂し、潰れた。
あと少しでもカービィが前にいたら、…大怪我では済まなかったかもしれない。
小さな木片が頭に軽く当たっただけで済んだことは、幸運だった。
もしあそこにいたら—————カービィはぞっとし、冷や汗を流す。
なぜ扉がああなっのか?
それは考えることでもない。
カカッ!
「っ!!」
食器の破片が内側から突き破ったに決まっている。
連続攻撃と言わんばかりに次々とカービィに攻撃してくる。
「うわ!とととと!と、突然なんだよっ!うわわ…!」
カービィは破片を敏捷な動きでかわす。
狭い廊下だが、破片のサイズとカービィの大きさならさほど窮屈なことではない。
かわされたものは、壁や廊下に突き刺さり、廊下に跡を残していく。
「キリがない…!」
走って逃げても飛来しくる速度の方が速い。
しかも、破片が増殖でもしているのか、どんどんでてきて後を追ってくるのだ。
破片に直接攻撃をしたら、こっちが傷ついてしまう。
「かといって吸い込む余裕はないし…!」
空中でバック転し、マシンガンの弾丸と化した破片を危なげにかわす。
あれほど速いと吸い込む動作をする前に突き刺さってしまう。
それだけは避けたい。
このまま階段に戻っても意味がない。
だからといっていつまでも避け続けられるものではない—————
「何かコピーするものっ…!あった!!」
壁に取り付けられた燭台。
炎が爛々と灯っている。
「あれなら!いける!…ぽっ…ぺええええええええええええ!!!」
カービィが破片の群れを素早くよけ、空中で口を大きく開け、一気に燭台もろとも炎を吸い込む。
ゴクリ!!
面白いくらい大きな音をたて、飲み込む。
それとほぼ同時に、これを待っていたかというように、破片の軍が固まってカービィに襲い掛かる。
そして、その丸い体をズタズタに—————できなかった。
ゴオオッ!!
カービィの体だから、灼熱の紅蓮の火炎が己の身を守るようにして巻き起こる。
激しい炎を取りつかせたサークレットを額につけ、ピンク色の皮膚は気高い赤に染まっていた。
—————これがファイヤーカービィの姿。
カービィは一旦着地し、すぐに飛び上がる。
体を激しく回転させ、火の粉を踊らせる。
「ファイヤー…ストーム!!」
スウっと息を吸い込み、二酸化炭素を吐き出す代わりに一閃の炎を放出する。
破片の群れは炎に飲み込まれ、あまりの高温にその身を溶かしてしまう。
廊下はカービィが放った火炎によって、炉の中ように熱くなり、破片は全て、溶けて見えなくなった。
「フゥ…—————ビックリした…」
幸い大理石でできた建物だったので、燃え移ることはなかった。
しかし、敷かれていた絨毯は黒く焦げてしまった。
相当高額なものだが、弁償しようにも弁償する相手がわからない。
そもそもその弁償するべき者が、こうしてカービィに攻撃を加えた疑いだってある。
とりあえずはどうしようもない。
「まさか破片が襲ってくるとは思わなかったよ…—————やっぱりこの屋敷には何かがあるね」
ファイヤーのコピーを解除しながら、カービィは疑問そうにつぶやく。
「…誰かいるの?」
ここにはいない『誰か』にそう問いかける。
返事はもちろんない。
温度が下がった廊下は、さっきの騒ぎの後とは思えないほど静かだ。
「でも、必ず誰かいるね!」
凛とした強い瞳を、カービィは輝かせる。
揺るがない強い意志をそのまま表すように—————
「よし!頑張るぞ!」
またさっきみたいに何かが襲ってくるかもしれない。
「慎重に行かなくっちゃね!」
カービィは少し歩いて、再び先ほどの階段に戻り、3階へ進む。
まだ続きます(*^。^*)