二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星の輝き ( No.112 )
- 日時: 2011/11/07 22:56
- 名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: SuDcL78Z)
—カービィの家—
「……お待たせ。で、話ってなんだ?」
カービィの家に入ってきたルエが、先に来ていたフームに問う。
フームは、一つため息をつくとこう言った。
「さっきすごい泣き声が聞こえたんだけど、誰が泣いたの?」
やっぱり聞いていたか、とルエは思いつつ答える。
「フーム…ごめん。泣いたのはカービィなんだ。」
「何で泣かしたの!! ルエ、まさかあの子に何かしたの?」
「…実は…。」
と言って、ルエは話し始めた。
自分が住んでる天界には、生者は行くことができないという事。
それを聞いたカービィが、大声で泣いたことを。
「…なーるほど。まさか、あなたが天界の住人だなんて…知らなかったわ。」
「天界は、私みたいな死んでいる者…つまり死者が行く決まりになっているんだ。カービィは生きてるし、まだ幼い。だから行けないんだ。」
フームは納得するが、大事なことを聞き逃がし、思い切りルエに驚きながら問う。
「ちょっと待って!! あなた、もう死んでるの!?」
「……堕天使だとばれた時点で、すでに死んでいることが分かるだろう? 今まで気づかなかったのか?」
「知りませんでした。」
「……じゃあ、今から説明をするから、よく聞いてろ。」
「はい。」
「えーっと、まず天界には、天使、堕天使、そして悪魔の三つの使者が住んでいる。」
「ねえ、天使、堕天使、悪魔って、死者達がこの三つの姿のどれかになってるの?」
「そうだ。で、どんな姿になるのかは閻魔大王が決めてる。」
「閻魔大王って?」
「死者たちを支配している…いわば王様のような者の事。」
「ふーん。それで?」
「天使は、良い行いをたくさんしている者がなれる。堕天使は、良い行いと悪い行いを同じくらいしている者が、悪魔は悪い行いをたくさんしている者がなるんだ。」
「へえ。で、ルエはこの姿…つまり堕天使なのね。」
「そうだ。だが、私の場合は特例なんだ。」
「どういうこと?」
フームがそう問うと、ルエは少し目を伏せて、悲しそうな声で言う。
「私は…してはいけない罪を犯した。だから、閻魔大王が私をこの姿にしたんだ。」
「してはいけない罪って、なんなの?」
尋ねるフームに、ルエはしばらく黙りこむ。
そして、重い口をゆっくりと開いて言った。
「……殺人……だ。」——と。