二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 65章 重力 ( No.129 )
日時: 2011/08/13 13:17
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ジバクン、熱風!」
「ライノス、雷の牙!」
ジバクンが放つ高熱の熱風を、牙に帯びている電気を地面に流し、ライノスは地中でスパークさせる事で防ぐ。
「シャドーボール!」
だが次の瞬間、ジバクンは影で生成した球体を、ライノスに向けて発射。突然だったためライノスは反応できず、直撃を受けてしまう。
「ライノス!」
ライノスは大きく吹っ飛ばされたが、なんとか立ち上がる。ジバクンは素早さは高いようだが、特攻はそこまでではないようだ。
しかし
「ジバクン、悪の波動!」
ジバクンは悪意を込めた黒い波動を連続で放ち、ライノスを攻撃。
いくら特攻が低くとも、蓄積すれば致命傷だ。対してこっちはジバクンへの攻撃手段がない。このまま続けばジリ貧どころが嬲られるばかりだ。
「トライアタック!」
ジバクンは炎、雷、氷の三つの光線を放ち、ライノスを攻撃。
「っ、ライノス、雷の牙!」
ライノスは牙から地面に電気を流して地中でスパークさせ、トライアタックを相殺する。
「なかなか粘るね、そのライノス。でもそれは自ら進んで苦しみを味わっているだけだよ。ジバクン、シャドーボール!」
「ライノス、毒突きで相殺しろ!」
ライノスは放たれた影の球を、毒を帯びた角で突き刺して破壊する。
「単発じゃ相殺されちゃうか……ならば、ジバクン、連続でシャドーボール!」
ジバクンは次々と影の球を作り出し、連続でそれを発射していく。
「な……っ!くっ、ライノス、ストーンエッジだ!」
ライノスは襲い来る無数のシャドーボールに対し、鋭く尖った岩を無数に放ち、相殺を試みる。
それにより多くの影の球はストーンエッジで相殺したものの、何発かは相殺されずにライノスを襲う。
「ぐっ、ライノス……!」
ライノスは連弾シャドーボールを喰らい、かなりのダメージを受けた。あと一撃でもまともに入れば、戦闘不能になってしまうだろう。
「もう一押しって感じだね。決めるよジバクン、トライアタック!」
ジバクンは炎、雷、氷の三つの光線をライノスに向かって発射する。
「ライノス、雷の牙だ!」
ライノスは電気を帯びた牙で地面に噛み付き、流した電流を地中でスパークさせて電撃の盾を作り出す。
しかし疲弊しているライノスだ、電撃の出力は弱くなっており、トライアタックは電撃の盾を突き破ってライノスに直撃する。
「ライノス!」
ライノスは大きく吹っ飛ばされ、地面に落ちる。だがしかし、それでも繊維は尽きていないのか、必死に起き上がろうとしている。
「まだ、やる気があるんだね。ならば一思いに止めを刺してあげよう。ジバクン、シャドーボール!」
ジバクンは通常よりも一回り大きな影の球を作り出し、それをライノスに向けて発射。影の球は、まっすぐにライノスへと向かっていき、直撃する——

——その瞬間、ライノスは光り輝いた。

「な……!?」
「これは……進化……!」
ライノスは光の中で姿を変える。
まず体は大型化して四足歩行となり、濃い緑色をした鋼鉄の鎧を身に纏う。
体の各所にはトゲが突き出ていて、尻尾は鉄球のようだ。
鎧角ポケモン、メタゲラス。鋼・地面タイプのポケモンだ
メタゲラスはその鋼鉄の鎧で向かってきたシャドーボールを弾く。鎧は傷一つ、痣一つ付いていない。途轍もない硬さだ。
「まさかここで進化するとは……でも、悪タイプの技がなければどっちみち僕のジバクンには勝てないよ!」
それはサザンカの言う通りだ。
なのでイリスは図鑑を開き、メタゲラスが覚えている技を調べる。進化すれば、ポケモンは新たな技を覚える事が多いのだ。
「あった……」
そして、メタゲラスは奇跡的に悪タイプの技を覚えていた。
「ジバクン、熱風だ!」
ジバクンは鋼タイプが追加された事により、メタゲラスの弱点を突ける熱風を放ってきた。
「メタゲラス、この熱風を吹き飛ばすよ。砂風!」
メタゲラスは大きな雄叫びを上げ、砂を舞い上げる猛烈な風を発生させる。その風と砂によって熱風は吹き飛ばされた。
「な……!」
サザンカとジバクンは、メタゲラスの圧倒的な攻撃力に戦慄している。
しかけるなら、ここだ。

「メタゲラス、グラビティコア!」

メタゲラスは超重力の巨大な球体を頭上に作り出す。そしてその球体を、ジバクンに向けて放つ。
「行っけぇええええええ!」
ジバクンは莫大な重力に押し潰され、戦闘不能となった。
「そ、そんな……僕のジバクンが、敗れるなんて……」
イリスvsサザンカ。敗者は、自称ゴーストマスターのサザンカだった。



「負けたよイリス君、僕もまだ修行が足りないようだ。だけど、楽しいバトルだった」
後味は良かったが、振り返ってみるとサザンカは序盤、ネチネチと嫌らしい攻撃ばっかりしていて、最後は無敵に近いジバクンだ。イリスはあまり楽しいと言う感想はなかった。どっちかというともう戦いたくない、だ。
「まあでも、ライノスがメタゲラスに進化したのは、紛いなりにもサザンカさんのジバクンのお陰だから、そこは感謝かな」
サザンカと別れたイリスは、野宿している所へ戻る途中、独り呟く。
「ふぁ……なんか眠くなってきたな……」
そう思ってふと顔を上げると、水平線の向こうから日が出て来た。
いわゆる、日の出。
「…………」
イリスは美しい日の出を見ることができたが、代わりに睡眠を取る事ができなかった。



今回はイリスとサザンカのバトル、決着しました。そしてライノスも遂にメタゲラスに進化。……思ったんですが、メタゲラスとメタグロスって語感似てません?では次回ですが、次回は……未定です。まあよくある事なので、お見逃しください。では、次回もお楽しみに。