二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 116章 天気 ( No.244 )
日時: 2011/09/10 21:43
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ホワイトフォレスト上空に、巨大な影があった。その影は徐々に降下していき、森の木々を押し潰しながら着陸した。
「うーん。なんだか雑な着地になっちゃったけど……まあ、いいか」
その巨大な影——いや、もういっそポケモンと言っていいだろう——から、一人、もう一人。二人の少女がホワイトフォレストの地面へと降り立つ。
「この辺は誰もいないみたいですけど……本当にここにプラズマ団が現れたんですか?」
「キリハの情報が正しければ、いるはずだけど」
降り立った一人は、まだ年端も行かぬピンク色の髪の少女。もう一人は金髪を一部三つ編みにした少女。
「そういえば言い忘れてましたが、ここまで乗せてってくれてありがとうございます、リオさん」
「いいって、一人や二人乗せたくらいじゃ、労力は変わらないから。だから気にしないで、ミキちゃん」
ピンク色の髪の少女はミキ、金髪の少女はリオ。それぞれの肩書きはイリスの弟子と、PDOヒウン支部統括だ。
「まあとりあえずは、プラズマ団を探して——」

「フォレス様ぁああああああああああ!」
「来るなぁああああああああああ!」

…………。
「さて、プラズマ団を探そうか」
「そうですね」
「待て、そこのお前ら!俺を助けろとは言わんから、せめて妨害くらいはしてくれ!」
敵に懇願する7P。
情けない。
一応念のため説明を入れておくと、リオがプラズマ団を探すために足を一歩踏み出したところ、目の前に迷彩服と黒いコートを来た男、即ち7Pのフォレスと、それを追う成人しているかしていないかくらいの女性が目の前を通り過ぎた。
リオとミキは全て見なかった事にしてプラズマ団を探そうとしたら、フォレスが凄い勢いで引き返してきて現在に至る。
「……そうだ、敵を見つけたならわざわざ懇願する事無く、あいつにこいつらと戦うよう命じればいいだけじゃないか!」
今頃気付いたらしい。
7Pフォレス。頭の作りは、ちょっと残念だった。
「おいティン!命令だ、こいつらとちょっくらバトるぞ」
恐らくフォレスを追ってだろう、凄い勢いで飛び出してきたのは、先ほどの女性。若草色のツインテールに、深緑の瞳。ピンクと黄色を基調としたワンピースを着ていて、装飾が派手である。
先ほどのフォレスの台詞から、ティンという名前らしい。
「了解しました!……で、こいつら誰です?」
「分からん。だがたぶん敵だろう。つーわけでこいつらの相手はお前に任せるから、その間俺はアシドの所に——」
さり気無く逃げようとしたフォレスの退路を断ったのは、ミキだった。
「逃がさないよ。そっちから出向いてきてくれたんだから、それを逃すわけにはいかないもんね」
さっき思い切りスルーしていたが、まああれはノーカンだろう。
ミキがフォレスの前に立つと、リオもティンの前に立って二人を挟み込むようにする。
フォレス対ミキ。ティン対リオ。二つの戦いがここに始ま——
「フォレス様にこんなちんちくりんの相手はさせないわ!私が相手をしてあげる!」
「げふっ!」
——らなかった。
フォレスを跳ね飛ばすようにティンはミキの目の前に移動し、代わりにフォレスがリオの前に移動する。……まあ、フォレスは思い切り地面に倒れ伏しているが。
よく分からない紆余曲折はあったものの、最終的にはフォレスとリオ、ティンとミキのバトルという形に収まったのであった。

「あー……何で俺はあんな奴を部下にしたんだろう……」
馬鹿だからだろう。
「あれはあれで一種のカリスマ性とも言えなくはないけど……リーダーシップはなさそうだね……」
リオは軽くフォレスに同情する。
敵に情けを掛けられる7P。情けないにもほどがある。
「今日の俺はアウェーかよ……まあいいか、気にするのは止めだ。思いっきり暴れて清々してやる。出番だ、サンドリル!」
フォレスの一番手は地面タイプのサンドリル。両手のドリルは如何にも凶悪そうだ。
「地面タイプか……だったらこのポケモンかな。出て来て、リーフィス!」
リオが繰り出すのは観葉ポケモンのリーフィス。ガラスの器から葉っぱの体が出ているような、草・水タイプのポケモンだ。
「草・水タイプのポケモンか……まあたぶん弱点を突けるという意味合いを込めてのチョイスなんだろうが、少し甘いな」
フォレスはニヤリと笑って言う。正直、あまり様になっていない。
「……どういう意味?」
「俺だって何も考えずにお前らとバトってるわけじゃねえって事だよ」
フォレスは後ろ——ティンの背中を見つつ、そう呟いた。

「出て来て、ポリゴン2!」
ミキの先鋒はポリゴンの進化系、ポリゴン2。ポリゴンの時は角張っていた体が丸っこくなっているが、それ以外の大きな変化は見当たらない。
「ポリゴン2ねぇ……そんなポケモンで、私のポケモンに勝てるとでも? ……まあいいわ、その顔をすぐに泣き顔に変えてやるわ。出て来なさい、カンカーン!」
ティンのポケモンは、日照りポケモンのカンカーン。炎のような体色と模様、球状の体にヒレが付き、先端が丸っこくなっている尻尾が付いたようなポケモン。
そして
「暑い……?」
ミキはふと空を見上げると、目を見開いた。
今まではそんなに晴れていなかった。天気で言えば晴れか曇りか、微妙な所だった。しかし今は、晴れている。いや、そんな生易しい物ではない。強い日差しが、照っている。
「知らなかったの? だったら教えてあげる。カンカーンの特性は日照り。カンカーンが場に出た瞬間、辺りには強い日差しが照りつけるわ!」



今回はリオとミキ、フォレス。そしてパーセンターさんのオリキャラ、ティンの登場です。パーセンターさん、ティンのキャラはこんな感じでよろしいでしょうか。キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。それにしても、今回はフォレスアウェーの回でした。たぶんこれからも続くでしょうが。では次回は二人のバトルのどっちかです。どっちになるかは、次回のお楽しみに。