二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 271章 予知 ( No.292 )
- 日時: 2011/10/08 23:38
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「私のバクオングを倒すとは、なかなかやるじゃないか」
センリはバクオングをボールに戻しながら言う。
「だが、次のポケモンも同じように倒せるとは思わない事だ。さあ行け、フォリキー!」
センリの二番手は、未来予知ポケモンのフォリキー。キリンリキというポケモンの進化系で、真っ黒の頭がある尻尾が特徴だ。
「まずはこれからだな。フォリキー、未来予知だ」
センリが指示を出すと、フォリキーは何かを念じる。しかし、イリスには何も起きないように見える。というか、何も起きない。
「……なんだか知りませんが、次はこっちの番ですよ。メタゲラス、アイアンヘッド!」
「フォリキー、地震!」
メタゲラスが地を蹴ってフォリキーに突進しようとしたその時、フォリキーは地面を揺さぶって地震を起こし、その衝撃でメタゲラスを攻撃する。
「メタゲラス!」
バクオングとの戦いでかなり疲弊していたメタゲラスは、効果抜群の地震で体力が尽き、戦闘不能となった。
「よくやった、メタゲラス。戻って休んでくれ」
イリスはメタゲラスをボールに戻し、次なるボールを構える。
「エスパー・ノーマルタイプって事は、弱点は虫と悪。アブソルは使えないから……頼んだぞ、フローゼル!」
イリスの二番手はフローゼルだ。
「フローゼル、テラーソニック!」
フローゼルは素早く腕を振り、黒い衝撃波を放つ。
「フォリキー、噛み砕くだ」
フォリキーはクルッと体を半回転させてこちらにおぞましき尻尾を向けた。するとその尻尾は赤い目をぎらつかせながら大口を開け、その衝撃波を噛み砕いてしまった。
「なっ……!?」
流石に驚かずにはいられない。まさか攻撃を、しかも自分の弱点である攻撃を噛み砕いてしまうなんて、イリスの想定範囲外だ。
「驚いたかい? 仕組みが知りたいなら、図鑑を開くといい」
イリスはセンリに促されるまま、図鑑を開いてフォリキーを検索する。すると、次のように表示された。
フォリキー・未来予知ポケモン
『フォリキーの尻尾は闇を食べてしまう。空間を削り取る事も容易い。』
「…………」
驚きのあまり、イリスは声が出なかった。
「まあ、中にはそういうぶっ飛んだポケモンもいるという事だよ。……さて、そろそろバトルに戻ろうか。フォリキー、地震!」
「! フローゼル、飛び上がって気合パンチ!」
フォリキーは地面を踏み鳴らして地震を起こすが、フローゼルは跳躍してそれを回避。そして拳に気合を込め、フォリキーの脳天に拳を振り下ろす。
「そのままアクアテールだ!」
フローゼルは拳を軸に一回転し、その勢いのまま水を纏わせた二又の尻尾をフォリキーの体に叩きつける。
「なかなかやるが、私達もやられっぱなしではない。フォリキー、噛み砕く!」
フォリキーは、否、真っ黒な尻尾はフローゼルに近づき、大口を開けて噛み付きに掛かる。
「かわせ、フローゼル!」
フローゼルは尻尾が届かない位置まで後退し、噛み砕くから逃れる。
しかしそれは、過ちだった。
「フォリキー、破壊光線!」
フローゼルは尻尾を恐れるあまり、本体の事を失念していた。なので後退して尻尾から遠ざかったフローゼルはどこか安心してしまい、隙が出来てしまった。
フォリキーはそんな隙を逃さず、口から極太の光線を発射し、フローゼルを吹っ飛ばした。
「フローゼル!」
木の幹をへし折るほどの勢いで飛ばされたフローゼルは、まだ辛うじて体力が残ってはいるものの、ほとんど戦闘不能だ。あと一発でも喰らえば、間違いなくやられるだろう。
「……でも、まだ一発分残っているんだ。それならその一発を喰らわなければ——」
「それは無理だな」
イリスの言葉を遮ってセンリが断言した、次の瞬間
フローゼルは倒れた。
「!? フローゼル!?」
イリスは慌ててフローゼルを見て、次にフォリキーを見る。しかしフォリキーは全く動いていない、それらしき動作をした痕跡も見られない。そもそもフォリキーは破壊光線の反動で動けないはずだ。
「一体、何が……?」
「未来予知さ」
イリスが困惑する中、センリは静かに、告げるように言う。
「フォリキーを出してすぐ、私はフォリキーに未来予知を指示しただろう。未来予知は、文字通り未来を予知する技。だが予知するだけでなく、そこに攻撃を入れるんだ。そしてその未来まで時間が達すると、そのポケモンは攻撃を受ける、というわけさ」
まあつまり。、簡単に言って時間差攻撃である。
「……尻尾は、フェイクだったんですね」
「あながちそうとは断言できないが、大体そんな感じかな。さて、これで君の手持ちは残り二体。次はどう出るのかな?」
センリは余裕の表情で言う。そしてそれが、イリスには、プレッシャーになるのだ。
(恐らくセンリさんの使うのはノーマルタイプ。だったら格闘タイプのエルレイドは温存しておきたいな……いやでもしかし、そう甘い事を言ってられる状況でもないか)
イリスは腹を括り、次のポケモンが入ったボールを構える。
「さあ、次はお前だ。頼んだぞ——」
さて、今回も違う意味で微妙な終わりを迎えましたね。ところで話は変わりますが、僕は完全ノープランでこの小説を書いているわけではなく、暇な時などに次はどうするとか、将来的にはこうしたいなとか、そういうざっくりとした事は前もって決めているのです(前にもこんな話したような気がするな……)。それで今後の大まかな展開と、それをやるのにどれくらいの話数が掛かるのかを大まかに推測した結果、皆様のコメントなども含めて、なんだか返信が千を超えてしまうような気がしてならないのです。いや、コメントを控えてくれと言っているわけではないです。むしろ欲しいです、大歓迎です。皆様の応援が僕の動力源です。……まあ流石に少々大袈裟かもしれないですけど、前幕よりも今幕の話数を多くするのがぼくの主義ですから、これから先、結構続いていきそうです。さて、珍しくかなりあとがきを書いた今回でした、次回もイリスとセンリのバトルの続きです。イリスの気になる三番手は……?次回もお楽しみに。