二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 509章 火力 ( No.754 )
- 日時: 2013/03/14 00:08
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「戻って、ドラドーン」
リオは戦闘不能となったドラドーンをボールに戻す。
「……本当、今リーフィスがいないことが悔やまれるわね。でもしょうがない、最後は任せたよ」
そして最後のボールを握り締め、リオはポケモンを繰り出す。
「お願い、シャンデラ!」
リオの最後のポケモンは、誘いポケモン、シャンデラ。
「……やっぱりシャンデラか。ラプラスは水タイプだから相性がいいけど、それだけじゃ君には勝てないことくらい、僕だって分かってる。でも、君を倒すことで、分かるかもしれないんだ」
あの人のことが、と続け、ソンブラはラプラスに指示を出す。
「ラプラス、雷!」
ラプラスは超高電圧の雷を、シャンデラ目掛けて落とす。ここは電気石の洞穴。雷は周囲の電気を吸収して巨大化し、シャンデラへと襲い掛かるが、
「それなら消せる! シャンデラ、大文字!」
シャンデラは真上に向けて大の字の巨大な炎を放ち、雷を相殺してしまう。
「シャドーボム!」
そして間髪入れずに影の爆弾を生成し、ラプラスへと発射。
「アイスバーンで相殺だ!」
ラプラスも氷の衝撃波を放って爆弾を相殺。
「雷!」
「大文字よ!」
そして再び稲妻を放つが、今度も大文字で相殺されてしまう。
「連続でシャドーボム!」
シャンデラは何発もの影の爆弾を生成し、連続してラプラスへと発射する。一発では相殺されたが、これだけ連続して放てば、そう簡単には打ち消せないだろう。
「くっ、凍てつく風!」
アイスバーンではなく凍てつく風で爆弾を相殺するラプラス。アイスバーンよりも攻撃範囲が広いのでそれだけ多く破壊できたが、それでもすべて破壊することは出来ず、何発かは喰らってしまう。
「追撃よシャンデラ、大文字!」
さらにシャンデラは大の字の炎も放ち、ラプラスに追撃をかける。
「アイスバーンだ!」
ラプラスは氷の衝撃波で抵抗するが、炎技に氷技は効果が薄い。衝撃波は炎を多少削った程度に終わり、ラプラスは炎に飲み込まれた。
「くっ……ラプラス、雷!」
炎が鎮火すると、ラプラスは超高電圧の稲妻を発射。シャンデラへと落とそうとする。
「サイコキネシス!」
しかし稲妻はシャンデラの念動力に止められ、そのままラプラスのところへと送り返されてしまう。
反射に近い形とはいえ効果抜群の攻撃だ。ラプラスは大きなダメージを受けてしまった。
「相殺じゃなくて送り返すところまで来るのか……想像以上だ」
雨が降っていたとはいえ、よくエレクトロはこのシャンデラを倒したものだとソンブラは感心する。だが今はそんな場合ではない。
「ラプラス、アイスバーン!」
「シャンデラ、大文字!」
ラプラスの氷の衝撃波と、シャンデラの大の字の炎がぶつかり合うが、結果は火を見るより、というより火を見れば明らかだ。大文字がアイスバーンを難なく突き破り、ラプラスを襲う。
「シャドーボム!」
そこにシャンデラは影の爆弾を発射して追撃。事前に何発か当てているので、ダメージが増している。
「サイコキネシス!」
さらに念動力を念波として放ち攻撃。いくら体力が多く、打たれ強いラプラスでも、そろそろ限界だろう。
「……ラプラス、凍てつく風!」
「シャンデラ、大文字!」
ラプラスは凍てつく風で反撃を試みるが、シャンデラの大文字の前ではそれも無力化されてしまい、ラプラスはさらに攻撃を受けることとなった。
「シャドーボム連射!」
シャンデラは影の爆弾を連続で発射し、ラプラスを絶え間なく攻撃し続ける。一撃一撃の威力が高く、しかも連鎖的に威力も上がるため、総合的な火力は尋常ではない。
「もうラプラスも……この一撃に賭けるしかないか」
ぼそりと呟き、ソンブラはラプラスに、最後の技を指示する。
「ラプラス、大洪水!」
次の瞬間、ラプラスの周囲から大量の水が流れ出す。全てを押し流すような、河川が氾濫したかのような水量に、周りの岩などは根こそぎ押し流されていく。
「っ……シャンデラ、サイコキネシス!」
シャンデラもサイコキネシスでダメージの軽減を試みるが、あまり意味はなかった。シャンデラも洪水に押し流され、多大なダメージを受けてしまう。
「……シャンデラ、大丈夫?」
水が引き、ゆらゆらと浮かび上がるシャンデラ。ダメージこそ大きかったようだが、まだ戦闘不能ではない。
「……ラプラスの大洪水でも倒れないのか」
ソンブラはうんざりしたように溜息を吐く。
「シャンデラ、シャドーボム!」
直後、一発の影の爆弾がラプラスに直撃し、大爆発を起こす。砂煙がもうもうと舞い上がり、ラプラスの姿は見えなくなるが、どのような状態かは分かっている。
砂煙が晴れると、ラプラスは戦闘不能になっていた。
「……ありがとう。戻って、ラプラス。あのシャンデラに一矢報いただけでも上出来だ」
労うように言葉をかけ、ソンブラはラプラスをボールに戻した。そして、最後のボールを手に取る。
「……姉さん」
ボールを構える前に、ソンブラは目を閉じて小さく呟く。
「……?」
リオにはソンブラが何を言ったのかは聞き取れず、急に動きを止めた彼に対して怪訝そうな表情をするだけだ。
ソンブラはすぐにボールを構えると、最後のポケモンを繰り出す。
「さあ、最後は頼んだよ。フィニクス!」
ソンブラの最後のポケモンは、不死鳥ポケモン、フィニクスだ。
「フィニクス……? ドンカラスじゃなくて……?」
リオもソンブラのことはイリスなどから聞いていたので、どのようなポケモンを使うのかは大体知っている。ユレイドルは初めて見たが、この場合、悪タイプのドンカラスの方がシャンデラに対して有利なはずだ。なのにソンブラは、フィニクスを選んだ。
それに対しソンブラは、
「僕は君に勝つ以上に、知りたいだけだ。ただ勝つだけじゃ意味はない、ただ戦うだけじゃ意義がないんだ。だから、勝つために戦うんじゃない」
「何言ってるのか、私には理解できないわ。さっきからずっと。何、何なの、貴方は?」
「僕にも分からないよ! フィニクス、ドラゴンビート!」
話を打ち切り、先に動いたのはフィニクスだ。フィニクスは龍の鼓動の如き音波を発射する。
「っ、サイコキネシス!」
シャンデラも咄嗟に念動力を放ち、音波を相殺。しかしその隙に、フィニクスはシャンデラへと接近していた。
「ダイヤブラスト!」
フィニクスは羽ばたき、白色に煌めく爆風を放つ。爆風は衝撃波となり、シャンデラを襲った。
「ドラゴンビートだ!」
間髪入れずに龍の音波が放たれ、シャンデラは吹っ飛ばされる。さしものシャンデラでも、この連続攻撃は効いただろう。
「くぅ、シャンデラ、スタープリズム!」
シャンデラは霰が降る中、それらと一緒に冷気を封じたガラス球を降り注いだ。炎とドラゴンタイプのフィニクスには等倍のダメージだが、シャンデラほどの特攻ならそれなりのダメージも期待できる。
「シャドーボム!」
フィニクスの動きが一瞬だけ止まった隙に、シャンデラは影の爆弾を発射。フィニクスに直撃させた。
「ぐっ、まだだフィニクス! ダイヤブラスト!」
「シャンデラ、サイコキネシスで相殺!」
フィニクスは炎の翼を羽ばたかせて煌めく爆風を放つが、シャンデラも強力な念動力で爆風を打ち消す。
「シャドーボム!」
そこにすかさず影の爆弾を撃ち込むシャンデラだったが、フィニクスも反射的に回避行動を取り、完全にはかわせなかったが直撃だけは回避した。
「だったら、スタープリズム!」
シャンデラはまたしてもガラス球を降り注ぎ、フィニクスへと攻撃するが、
「それはもう見切った! フィニクス、テラブレイズ!」
フィニクスも上空に向けて燃え盛る業火を放つ。火炎放射などの比ではない超高火力の爆炎が、ガラス球を次々と溶かしていく。しかもそれだけにとどまらず、炎は空中で散り、無数に分かれ、炎の雨としてシャンデラに襲い掛かる。
「うっ、シャンデラ……!」
効果はいまひとつだが、思った以上に威力が高い。
「そのシャンデラの特性は影踏みだったよね。残念だね、テラブレイズを無効化できなくて」
「……別に、無効化できなくても、いくらでも戦いようはあるわ。シャンデラ、シャドーボム!」
「ダイヤブラスト!」
シャンデラが放つ影の爆弾を、すかさずフィニクスはダイヤブラストで相殺する。
「ドラゴンビートだ!」
「大文字!」
だがフィニクスの放つ龍の咆哮も、シャンデラの大の字の炎でシャットアウトされてしまう。
「……やっぱり強い。エレクトロ様が気にするだけはあるかな」
「そっちも、話に聞いてたよりもやるじゃない」
ソンブラとリオ。二人は息を切らしながら、睨み合う。
第六節その四です。前回は本文が長くて書けませんでしたが、実は白黒は化石ポケモンが大好きだったりします。特にユレイドルが好きなんですよねー。あのデザインに、草・岩というタイプ。耐久型の種族値と、何故か気に入ってしまうポケモンです。あとはアーマルドとか、アーケオスとかですね。水と複合してる奴らはそこまで好きじゃないです。それでは次回、第六節終了となるでしょう。次回もお楽しみに。