PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.502 )
- 日時: 2013/02/03 15:53
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
111話「対面」
暗い、世界だ
黒くて、闇ばかりで
明かりの1つもない
「なぁ。誰か、僕の声を、言葉を…聴いてよ」
響くこともない。答えが返ってくることもない
それを知っていても、少年は云う
自分の信じた者に届くまで
*
たどり着いた場所
シャズンズ城の王間
怪しく光るシャンデリア
台座の上に立つ黒の少年
扉を開いたときから感じる重たい空気
緊張の走る中
見つけた少年
「《ようやく、来たかい。待っていたよ》」
楽しそうに笑みを浮かべ少年は言う
「レ、オン」
眉を下げ苦しそうに悲しそうにその名を呟く氷裏
「あれが…」
光の灯っていない黒の瞳
「《待っていたよ。もうすぐ、この世界は闇に包まれ俺のモノになる。それを間近見られるなんて幸運だな》」
怪しく光る瞳
「そんな事させないわ!」
ラティアの声が響く
「《おや。これは…セントラルの姫君。生まれ変わる世界で生きることを拒否するなら、消えてもらわなければ》」
「レオンじゃない。今は完全にゼレフだ…!」
氷裏が握る拳に力が入る
ゼレフは氷裏を見る
「《…氷裏じゃないか、なんで此処にいる。貴様のいるべき場所はそこではないだろ》」
ゼレフの漆黒の瞳に睨まれ氷裏が息を呑む
「《そうだった…俺にはやらなければならない事があった》」
ゼレフが見据えるは1人の少女
そらの後ろに隠れる様に立っている1人の少女
それに気づき少女は前へ出る
震える身体を必死に保ちゼレフを真っ向から見る
「《会いたかったぞ。我が…妹》」
*
苦しい。重たい世界
悲しみしかないな。この世界は…
“僕と同じだな”
PR