二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼   ———刹那の契り ※イラスト描きます ( No.25 )
日時: 2012/08/17 11:54
名前: 亜鶴 (ID: 1LZEPC8Z)

第三話 緋色の着物を身に纏った少年



((綺麗・・・わたしなんかより綺麗・・・・))
緋色の着物に身に纏う。それも女物の着物。なんて麗しい少年の姿に琴
音は目を奪われた。



「琴音さん、着物ありがとうございます。」と少年はお礼を言った。「よかった・・・大きさぴったりどすね・・・。それとごめんなさい・・。」と頭を下げた。「平気ですよ。」と言ってくれた。「おおきに・・・」と微笑んだ。



「それにしても・・・お客様が女の子だとは気がつきませんどした。私、ドジで鈍いんどすよ・・・あははは」と苦笑い。琴音の言う通り、少年の正体は男装した少女だった。二人は向かい合って、笑いあった。

「お客様のお名前は・・・?」と琴音は少女の名をたずねてみた。「雪村千鶴です。」と少女は名乗る。「千鶴ちゃんでええかな・・?仲良くしような。私のことは琴音でええよ。」と言い、お客と舞妓の関係から友達の関係となった。

「じゃあ、琴音ちゃんでいい?」と少女は聞いてきた。うれしくなって「うん!」と答えた。お互い手と手を握り、握手した。「よろしくね。」




「さあ、戻ろうか?」と言い、障子を開ける。振り向いて、千鶴を見た。すると彼女は頬を染めて、目線を下にやった。はずかしがっていた。千鶴ちゃん?と声をかけてみた。

「斎藤さんと沖田さんにこの姿見せるの恥ずかしくって・・・」と恥らう。琴音は彼女の後ろに立ち、「大丈夫・・・千鶴ちゃん、綺麗やし、恥ずかしがることなんてないよ」と肩をとんっと叩いて、励ました。すると、チラッと後ろを見て、苦笑いした。可愛らしかった。


(更新再開)
その部屋を出ると、外は真っ白な雪が相変わらず降っている。寒かった。体は震えていた。早く部屋に入りたいのだが、その前に・・・長い廊下を歩ければならない。しかも客室は一番奥の部屋。


寒い思いをしながら、二人は長い廊下を歩いた。やっと長い廊下から通り抜けられた。客室の襖の前に琴音は端坐して、「入ります」と言う。そして戸を開け、先に千鶴をはいらした。そのあと琴音は部屋に入った。今度は慎重に・・・。部屋に入るのを成功して、二人の男たちはこちらを見ていた。琴音ではなく、千鶴の方を。


「へえ〜女の子の着物着るだけでも、女の子になるもんだね」と沖田は言った。千鶴の髪型は男装時のまま。でも確かに女物の着物を着ただけでも、千鶴は女の子に見えた。
斎藤はうっすら赤く頬を染めて、千鶴に見とれていた。千鶴は二人の反応を見て、顔を真っ赤に染めて、恥ずかしがっていた。



「お待たせ致しました!!さあ千鶴ちゃん座って!!」と琴音は盛り上げて、言った。「あ、うん」と答え、沖田と斎藤の目の前に座った。三角形の形になって。琴音はまず千鶴に酒を注ごうとした。さっきのお詫びのためだ。「あ・・私はいいよ。お酒飲めなくって。」と断った。「飲めへんの??じゃあ、料理をたくはん食べてね!!」と言って、斎藤の脇側に座った。


酒の入った銚子を手に持って、「お酒お注ぎします」と微笑んで言った。斎藤は御膳にあったおちょこを手に取る。銚子を傾け、酒を注ぎいれる。斎藤はおちょこに入った酒を飲んだ。


((あれっ・・!?))とあることに気がついた。椿の姿が部屋のどこにも見えない。消えていた。

「あの・・椿ちゃんは??」と二人の男たちなら椿が消えた理由を知っているのではないかと思い、たずねてみた。

「もう一人の舞妓か?」と酒を飲みながら、斎藤が聞いてきた。

「はい。さっき私のとなりにいた子どす。」と答えた。


「あんたたちがこの部屋に戻ってくる前に、用事があると言って、部屋を出ていった。」

「そうどしたか。おしえてくれておおきにどした。」とお礼を言った。心の中でため息した。((椿ちゃん・・・逃げたな!!ヒドイよ〜))とつぶやく。斎藤はちらっと琴音を見た。彼女は一瞬困った顔をした。切ない瞳だった。琴音はその視線に気づき、斎藤の方に視線をやった。目が合い、琴音は少し戸惑い気味。


「あの・・・私の顔に何かついていますか??」と聞いてみた。なぜ斎藤がこちらを見ていたのか知りたかった。すると・・斎藤は何でもないと言って、前に視線をやった。すると目の前には沖田が座っていた。「一君ばっかずるいなあ〜そろそろ僕にお酌してくれない?君、一君に気でもあるの?」とニコニコしながら、琴音に聞いた。琴音は顔を真っ赤にして、「気なんかありまへんっ///!!」と大きい声で言った。急いで、斎藤から離れ、沖田の方へ移動した。誤解されないように・・・。

「あはははは、君おもしろいな〜」と移動してきた琴音をからかってきた。琴音は「笑わないでくださいっ///!!」とつんつんして、怒っていた。




         
          つづく



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