二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 “真選組ファンクラブ” オリキャラ募集中! 一話更新 ( No.29 )
日時: 2012/01/01 12:54
名前: ジェクロ ◆GK3CvBUrBw (ID: NM3d.9Bq)




 同時刻。

 隊員一人ひとりに与えられる部屋から、一人の男——いや、女が出てくる。
 その女は廊下に座り、携帯を取り出した。




     第二条“待ち受け画面は日々変えましょう”





 ん? ああ、こんにちは。まいねーむいず、あおい ひゅうが、つまり日向葵ヒュウガアオイです、あーゆーおーけー?
 只今、何か恵美ちゃんが何か色々と言ってますが、僕には無関係です。
 何か「侵入者っぽい人がいるぅぅうう!!」とか言ってるけど、僕には無関係です。……多分。


 葵はそんな事を思いながら、携帯をいじりまくる。
 携帯の画面には、土方や沖田などの写真が大量にある。
 そんな写真を見ながら、「これもいい……いや、この土方さんも——」と、一人でブツブツ言っていた。


「ワット? 何に迷っているんですか? 真選組監視の日向葵様」
「今日の携帯の待ち受けに迷っているんです。この土方さんもカッコイイですけど、この沖田さんも中々でして」


 葵が気に入っている写真を大画面にする。
 その写真を見て、「おおお!!」と小さく叫ぶが、少し考えて言った。


「いやいや、ワタクシの好みラブなのはこの写真とこのピクチャです!」


 そう言って画面を動かし、土方が煙草を吸っている写真を見せる。


「シンプルこそ、ラブなのです!!」
「あー、それもいいんですけど、昨日の待ち受けなんですよ——」


 そこまで話して、ある事に気づく。

 僕、誰と話してるんだろう。

 声は女声で、聞いたこと——いや、見たことのある口調。
 さっきまでは存在感がなかったのだが、まるでずっと居たかのようにしゃべっている。

 恐る恐る顔を横に向けると——。

 そこには、緑のバンダナが特徴的な女性がいた。



「どうしましたか!? 監視の日向葵様! もしかしてミーに見惚れちゃいましたか!?」


 ……すみません、それはないです。

 心の中でとりあえずツッコンむ。
 だが、不思議なことが色々と現れる。
 なぜ名前を知っているのか、なぜ自分の役職を知っているのか。

 その前に——何しに来たんですか、この人。


「……あの、すみません、君は何しにココに来たんですか?」


 葵は、迷子か何かと思ったが、女はまったく違う答えを言い出した。



「ワタクシは真選組の行動をホットな目で見に来ましたのです!!」



 この言葉は、自分が会員になっているファンクラブの管理人とまったくの同じ。
 どこかで聞いたことある口調だと思ったが、この言葉を聴いたとたんに、ある人を思い出す。


「もしかして君、エメラ——「いたぁぁああ!!」


 葵の言葉を邪魔したかのように、恵美の声が邪魔をする。
 恵美は、息が切れ掛かった状態で、こちらへ来る。
 その後に、沖田が付いてきた。ダルそうに。


「沖田さん! この人です! 壁よじ登って屯所に入った侵入者です!」
「マジですかィ」


 あ、僕の沖田さんだ。
 相変わらずカッコイイですね、よし、今日の待ち受けは沖田さんにしよう。

 そんな暢気なことを考えながら、待ち受け画面を変える。
 その後に、今起きていることを思い出し、すぐさま携帯をしまう。
 そして、女性の方を見た瞬間、女性は何かのスイッテが入ったようにしゃべり始めた。


「あわわわわわ!! これはこれは一番隊隊長沖田総悟様様ですね!! こっこんな近くで見れる見れるルックルックとは全然思っていませんでした!! 噂では超腹黒超ドSと聞きましたが、それって本当なんですか!? その前に、一番隊隊長沖田総悟様って、こんなにキューテクルでかわいらしいお顔でしたんですね!! ワタクシ、最高! 感激! 会えてサンキューベリーマッチです!! 握手OKですか!? それともNOですか!? あ、でもワタクシなんかに触られると、この美しいハンドな手がグルグルボロボロになってしまうので止めておきます!」


 一人で突然語りだす女性。
 それを見て、恵美は語りを止めようとするが、一向に止まりはしない。
 だが、葵はそれを止めようとせずに、ただ黙ってこう思った。


 この人……なかなか語りますね。と。