二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.261 )
日時: 2012/02/01 20:12
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

35.別れ



速「とんだ大騒ぎでしたね。」

帰りの最中、速水先輩がつぶやいた。輝もコクコクとうなずきながら、

輝「ほんとだよ。ね、ユエ?」
  「えっ、あ、う、うん……。」

俺はうつむきがちに答えた。

  (ほんとにいなくなっちゃったのかな、あのふたり……。)

俺は、あのときのことを思い返した。

(回想)全部セリフです

 「なんだ、ここにいたのか!」
ア「ユエ……来ちゃったんだね。」
  「来ちゃったって、どういうことだよ?」
シ「話してあげたら? 全部。」
ア「そうだね。あのね、わたしとシュウ、姉弟なの。」
  「えぇっ!? でも、アユナが妹だろ?」
ア「失礼な、姉だよっ。」
  「あ、そうなの。って、え!? アユナの方が幼いじゃん!」
ア「どこまでも失礼な……わたしの方が、シュウより先に死んじゃっただけよ。」
  「………………………………………………………………………………ちょっと、ちょっと。ジョウダンはよしこさん。」
ア「だじゃれはよしこさん。」
  「だって、それじゃあアユナが幽霊って事に……。」
ア「まさにそのとおり。わたしとシュウ、幽霊よ。」
  「知ってはいけないものを、月流ユエは、またひとつ知ってしまいました。」
シ「大げさだなぁ、ユエは。」((クスクス
  「ていうか、どういうことだよ、それ?」
ア「あのね、わたし、ユエにシュウをもとに戻して、ってお願いしたでしょ? あのときは、シュウを追って、人間の普通に生きていける世界に来ていたの。シュウったら、もう1度でいいから、サッカーがやりたい、サッカーを見たいって。だから、特別に許可をもらって、人間界に舞い降りたのに、いっこうに帰って来ないんだもの。だから、わたしも来てみたの。」
  「そういう深い事情があるなら、最初から言えよ。俺、イキナリでむちゃくちゃおどろいたんだからな。」
ア「ごめん、ごめん。……でね、わたし、最初ユエに会った時、なんていうか、話しを聞いてたらビビビッと来たって言うか、なんて言うか……。
  だから頼んだの。おねがい! って。……なんていうか、シュウ、変になっちゃってたのよ、妹がいなくなってから。だから、ユエにもとに戻してくれるかも、って。……でも、速く決めつけ過ぎちゃったね、天馬君がキーだったみたい。」
  「ほんとだよ。」
ア「あはは。わたしとしては『姉心』のつもりでやってたんだけど、この言葉の裏は『おせっかい』なのかもね。姉心はほどほどに、なんて。アハハ……。」
  「アユナ……。」
ア「……また、会いたいな。」
シ「もうお別れだなんて……。」
ア・シ「またね。」

ふたりはそう言って、金の粉をまき散らしながら消えていった。