二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 歌詞公開中 アドバイスください ( No.355 )
日時: 2012/02/27 20:19
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

45.過去


(友撫語り)


このことは、主に輝さんとお付き合いが長かった頃の話し。それより前に、輝さん以外の人たちは、お兄と面識がありました。

ちょうどそのときは、お兄が小学2年生のときだったと聞いています。
そして、お兄がまだ、女の子らしいころでした。
お兄は、小学1年生から2年生にかけて、いじめを受けていたようです。家族や親戚の前では心を開くけれど、ほかの赤の他人だったり、クラスメイトだったりする人には、心を閉ざし、ときには、冷たく当たることもあったって聞いてます。
でも、ただひとり心を開いていた人。

?「一緒に帰ろ!」
ユ「ん? うん、輝君。」

それが、クラスメイトであった輝さん。登下校もいつも一緒。いじめにあわないように逃れられる、唯一の場所だったんです。
でも、その場所を失ったと思った瞬間が、2年生の冬休みの2日前。
いじめグループのうちのひとり、桜奈(さくらな)さんが、輝さんにおどしをかけたんですよ。これ以上、お兄と関わると、おまえもいじめるぞ、って。
それをドアの外で聞いていたお兄は、輝さんと関わるのをやめたんです。
そして、そのことはお兄を通じ、両親にも伝わりました。
両親はお兄の必要最低限の記憶を消すことを決めました。これ以上、輝さんを巻き込みたくないということ。そして、なにより、お兄をつらいメにあわせたくない、ということから。
そしてお兄は、両親、生活に必要最低限の記憶、学校での友だちへの振る舞い方など、生活の中で知っていればだいたい過ごせる、という記憶だけを残し、あとは消し去ってしまったんです。こんなこと、無理だと思いますよね。
それができちゃう理由。そんなの簡単。それは、超次元だから!(この瞬間、あたりは一気に黄色い空気になったとか)


(普通にもどります)


友「……て、わけです。」
輝「あれ? ちょっと待って。」

輝がひとつの疑問を感じ、友撫が話し終わった後、声をかけた。

輝「友撫ちゃんは? そのときは、もういたでしょ、年少さん、年中さんくらいで。」
友「そのことですか。それは……じつは、いないんです。」
天「いない?」

友撫は無言で、コクリと頷いた。

友「お兄と友撫は………………………………………
















































































































































血のつながった姉妹じゃないんです。」
天「どういうこと!?」

友撫は重い口をゆっくりと動かしながら話した。

友「友撫は、お兄が記憶を無くして3日後に友撫が両親を亡くして、お兄たちの元に来ました。だから、このことを知ったのは、つい最近きた、お母さんの手紙で知ったんです。」
天「そうだったんだ……。」
輝「でも、なんで友撫ちゃんのこと、ユエは妹としてあつかっていたの?」
友「生き別れの妹だ、ってウソをついたみたいです。だから、友撫のことを、妹として。」

みんなの気持ちが、まるでぬかるみにでもはまったかのように、ベトベトした感じになる。
ユエには、こんな過去があったなんて。
このことを、ユエは、知らないなんて。

友「あと……きょうは、ちょっとある人に来てもらっています。どーぞー、ちょっと重い空気なんだけどね、おにーちゃん♪」

友撫の声と同時に、ガラリととびらが開いた。
そこにいたのは、青いポニーテールの……

全「風丸さん!?」
風「ああ。久しぶりだな。」
天「ゴッドエデン以来ですね!」
霧「でも、風丸さんがお兄さんというのは、いったい……。」
風「じつは、そのことなんだが。
   俺、月流のいとこの兄なんだ。」
全「ユエのお兄さん!?」
風「ああ。」

風丸がニコニコしながら言う。そのようすに、ウソはないと見てとれた。

風「あと、こんな情報が、ゴッドエデンで手に入った。」
天「え?」

風丸はなにかを取り出すと、パソコンにさしこみ、映像を取り出す。
そこには、みんなにとって衝撃的なことがのっていた。