二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キョンの消失 ( No.8 )
日時: 2012/01/08 13:55
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: COM.pgX6)

「しかし、現在の状態がいつも通りとは言えません。恐らく何か原因があるはずです。お心当たりはありませんか?」

現在の状態、というと、簡単に言えば、ハルヒが放課後の団活動に参加しなくなったというところか。2週間ほどまえからのことだ。だが、ハルヒと会えば話すし、つい一昨日も恒例の市内不思議散策をしたばかりだ。それ以外は変化がない。

「いえ、それからもう一つ、大きな変化があります。お気づき、ですよね?」

いや、分からん。もったいぶらずに教えてくれ。

「この間、席替えがあったでしょう。そのことです」

席替え、ああ、そういえば今までずっと俺の座席はハルヒの席の前だったのにこの前初めて離れたな。それがどうかしたか?むしろ今までがおかしかったんじゃないか。

「……はあ、あなたはつくづく鈍感ですね。涼宮さんには願望を叶える能力があるのは身を持って体験しているはずですが」

おい、お前はもしかしてハルヒがそれを望んだからとかぬかすんじゃないだろうな。俺はそんなに自惚れるつもりもないぞ。それに冗談でもそんな恐ろしいことを言うのはよせ。

「んふふ、あなたは、前にも言ったと思いますが、所謂一般人、凡人です。それは僕が保証しましょう」

うるせえ、そんなの自分でも分かってる。

「私も保証する。あなたは普通の人間」

なっ……。そう何度も言われると少し傷つくぞ。

「でも……」

長門は続ける。

「凉宮ハルヒにとって、SOS団にとって、そしてわたしにとってかげがえのない人でもある。それも保証する」

そうか……。ありがとよ、長門。

「僕にとってもですよ。もちろん友人としてね。」

ああ、まあ、最後のは言わなくても解ってるから言うな。気持ち悪いぞ。

「んふ、これは手厳しい」

「それでですね、今長門さんがおっしゃったように、あなたは凉宮さんにとって特別な存在です」

特別って言っても、団員その1兼雑用に過ぎないだろ、席が近かったのは何か命令したりしやすいからじゃないのか?

「あなたも強情な人です。もし雑用にするのだったら、もっと文句を言わない大人しい人が適任でしょう」

悪かったな、口うるさくて。

「それに、あなたには凉宮さんは他の人物にはしない特別な行動をしています」

例えば?

「一年生の5月、閉鎖空間の中に凉宮さんと一緒にいたのはあなただけです」

そのことにはふれないでくれ。

「ふふ、失礼。他にも……」

ああ、もういい。分かった。

「そうですか、それならいいのですが」

そう言いながら、古泉は肩をすくめる。コイツはなかなか意地の悪い奴だ。