二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【薄桜鬼】 死神少女と約束の桜 コメ・友達募集中! ( No.68 )
日時: 2012/02/03 17:56
名前: 雛苺 (ID: X9g0Xy3m)
参照: カフェオレよりミルクティー派!


 第20話

 「伊織!!おいこら、ちょっと待て!!」

 伊織?土方は偶然通りかかった・・・・いや、部屋に来てみたものの中に入れずにいた土方は首を傾げた。体調が優れないはずなのに何故昴はあんなに慌てた声を上げているのだろうか。その疑問は次の瞬間に明かになった。勢いよく部屋から飛び出してきたのは------------伊織だった。

 「んなっ!?伊織!?」

 「げ!土方!!てめぇなんで居るんだよ!!」
 土方を見た瞬間に昴はあからさまに顔をしかめる。
 「あ?いちゃ悪ぃのかよ」
 昴と土方の間に火花が飛び散る。それを止めたのは伊織だった。
 「すばるー、この人だれぇ?」
 「はぁ?」
 「伊織ー、コイツはなぁこわーいおじちゃんなんだぞぉ〜」
 「誰がおじちゃんだ!!」
 床にぺたりと座り込んでいる伊織と目線を合わせて言う昴に土方は素早く言う。ヒクヒクと頬が引きつり、血管が浮き出ている。
 「おぉこわ」
 「なんだとてめッ!喧嘩売ってんのか!?」
 「売ってるけどー?」
 「あぁ!?」
 お互いに刀に手を掛けて睨み合う2人の間に、白く細い手が割り込んだ。その手は真っ直ぐ土方の眉間をさす。

 ぷにっ

 「な・・・」
 「ここ!しわばっかりよせてるとふこうになっちゃうよー?」
 にこーっと笑って首を傾げる伊織に土方は驚いたように眼を見開くと脱力したように刀の柄から手を放すと、昴を見た。
 
 「・・・説明しやがれ」

 「けっ・・・誰がお前なんか・・・と言いたいところだがしょうがねぇから説明してやるよ。部屋入れ」
 










 「はぁ?伊織が幼くなっただぁ!?」
 「うるせぇよ!静かにしろ!!」
 「どういう事だよ」
 「どうもこうもそのままだっつってんだろ!!」
 再び睨み合う2人だったがさすがに疲れたのかすぐにお互いに息をついた。昴の話をまとめると、どうやら伊織はこの間の夜の事件以来なんらかの理由で精神が幼くなった---------------ということらしい。

 (んな事ありえるかっての)

 土方は舌打ちをした。溜息を一つつくと、ふと伊織に見られていることに気付いた。
 「なんだ?」
 「(じーーっ)ねぇ、おなまえは?」
 「は?」
 「おにいちゃん、おなまえなんていうの?」
 「伊織ッ!そんな男放っておきなさい!!」
 「あぁ?ったくてめぇはいちいち苛つく野郎だな--------------------土方歳三だ」
 土方は伊織の瞳を真っ直ぐに見つめて言った。