二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマ 海の悪魔姫と太陽の天使姫 ( No.215 )
- 日時: 2012/05/21 14:26
- 名前: 姫佳 ◆MWOkRuxz12 (ID: L9PtbysF)
- 参照: 今日、新しい眼鏡買ってもらった♪
第45話「和解と初めての敗北」
目金「…皆さん、まだ予選通過できないって決まったわけではありませんよ。」
染岡「他のチームの負けを、期待しろってのか?!」
染岡が怒鳴り、目金は怯える。
風丸「これで俺達は、終わってしまうのかもしれない…、」
皆は悔しそうな表情をしていた。
円堂「胸を張ろうぜ!!皆!!俺達、やるべきことは一生懸命やったんだ!!」
円堂の言葉に、皆が顔を上げる。そんな中、ラティアは一人、3‐3と表示されたスコアボードを見つめていた。
ここ「ラティア…、」
ここが心配そうにラティアを見つめる。
ラティア「…無敗記録…、破られちゃったわね。」
ここ「うん…、」
ラティア「私より貴女が落ちこんでどうするのよ?」
ラティアはクスクス笑う。
ここ「…悔しくないの?」
ラティア「悔しいけど…、無敗記録以上に大切な物を得られたから、私はそれで満足よ。」
ここ「大切な物?」
ラティア「えぇ。私自身の必殺技『悪魔の海』と、サッカーが楽しいって気持ち。何より…、お父様と本当の家族になれたことが一番嬉しいわ。」
ラティアは満面の笑みでそういうと、選手達が並んでいる列に入っていった。
円堂「良い試合だったな!!」
ヒデ「ああ。心から楽しめたよ。」
ラティア「私も凄く楽しかったわ!こんなにも楽しい試合、生まれて初めて!」
鬼道「フィディオ、感謝する。本気のあの人を引き出してくれた。」
フィディオ「そうしなければいけなかったんだ。チームの為にも、自分の為にも。」
ラティア「私からもお礼を言うわ。本当にありがとう。」
フィディオ「まさか同点にできるとは思わなかったけどね。」
ラティア「あら、私は『お父様』に負けたのよ?『オルフェウス』に負けたつもりはないわ。」
フィディオ「そっか^^;」
秋「待つしかないなんて…、」
ここ「全ては明日行われるユニコーンとジ・エンパイアの試合結果次第ね。」
目金「この引き分けで、オルフェウスは勝ち点8でグループ1位が決定。イナズマジャパンは勝ち点が7、ユニコーンが勝てば同じく勝ち点7。その場合、2つのチームの得失点差で決まります。ですが、イナズマジャパンは大量得点差で勝った試合が1つもありません。」
全員は悔しそうな表情をした。
久遠「勝たなければいけない試合に、勝てなかったな。それが今のお前達の現実だ。…だが、誰に恥じることもない。最良のプレーだったと言えるだろう。後は結果を待て。」
全「「「はい!!!」」」
話が終わった後、ラティアは影山の元に向かった。
ラティア「…貴方の采配、お見事でした。…私の負けですね。」
影山「だが、完全にお前の負けというわけではない。」
ラティア「…いいえ、私の完敗です。…あの時、お父様の声が聞こえなかったら、私は何もできなかった…。…誰かに言われて気付くなんて、私もまだまだ未熟者ですね。」
影山「…そうか。…フィディオ。」
フィディオ「はい?」
影山「何故カテナチオカウンターに…、父の、影山東吾のプレーが必要だと思ったのだ?」
フィディオ「キャプテンが送ってきてくれたビデオのおかげです。そこに、影山東吾のプレーが映っていました。」
影山「ナカタ…、」
その時、ティアラがラティアの傍に駆け寄ってきた。
フィディオ「俺は貴方を知りたかった。サッカーを憎みながらも、サッカーを知り尽くしている貴方を。影山東吾のプレーを見て、全てはそこに関わりがあると確信しました。だから調べたんです。貴方の過去を…。そして分かりました。貴方が抱える心の闇を…。だからこそ、俺は影山東吾のプレーに拘ろうと思いました。チームの勝利の為にも、何より、貴方の為にカテナチオカウンターを完成させなければいけないと。それにラティア、君の為でもあったんだ。」
ラティア「えっ?私?」
フィディオ「ああ。訳は後で話すよ。」
影山「何故だ?何故そこまで…、」
フィディオ「俺が、貴方と同じだからです。」
ラティア「お父様と…、同じ?」
フィディオ「俺の父も、自分の才能に限界を感じて苦しみ続けたサッカー選手でした。でもどんなに生活が荒れても、俺は父が、父のプレーが好きでした。だから俺はサッカーを諦めなかった。貴方が憎んでも、憎んでも、サッカーを続けてきた理由は、きっと俺と同じはずです。貴方は父である影山東吾というプレーヤーが好きなんです!!」
影山「私が父を…?」
ラティア「…やっと分かりました。お父様が貴方を褒めていた理由が。…お父様には分かっていたんでしょうね。本当は、貴方がサッカーを愛しているということが。」
ラティアは目を瞑り、そういった。
ラティア「影山東吾のプレーを再現すれば、その頃の気持ちを思い出すかもしれない…。貴方はそう考えたのね。」
フィディオ「ああ。」
影山「そうか…。お前如きに気付かされるとはな…。…いや、お前だから…、か。」
ラティア「…で、どうして私の為でもあるの?」
ラティアがそう尋ねると、フィディオは自分のバッグから1冊のスケッチブックを取り出した。
ラティア「!!それは…、」
フィディオ「ラティアが描いたライオコット島の設計図。ロビンさんから借りてきたんだ。」
フィディオはページを捲り、半分くらいの所で止め、ラティアに見せた。
ラティア「これは…!!」
鬼道「ジャパンエリアの設計図か…?」
フィディオ「ああ。ここからここまで、全部ジャパンエリアの設計図だ。」
ティアラ「こんなに?!でも、どうして?」
フィディオ「ラティア、君はジャパンエリアを設計する時、ミスターKのことを想いながら描いたんじゃないか?」
ラティア「えっ…、」
フィディオ「君は前に『日本は大嫌い』って言ってたよね。でも日本を嫌いな人が、嫌いな国の設計図にここまで時間をかけるとは思えない。」
フィディオがそういうと、ラティアは溜息を吐いた。
ラティア「…私も、自分がどうしてこんなに日本に拘るのか分からなかった。…でも、やっと理由が分かったわ。…私は貴方を憎みながらも、どこかで貴方のことを信じていた…。だからこそ、貴方がいた日本に拘っていたんですね。」
ラティアははっきりとした口調でそう言った。
影山「…流石だな。お前達は本物だ。」
鬼道「貴方こそ…!!」
影山「私もなりたかった。お前達のように。」
ティアラ「パパならなれたはずだよ!!絶対に!!」
ティアラがそういうと、影山は笑みを浮かべた。その時、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
鬼道「まさか、自分で?!」
影山「私にとって、これは最後の試合だ。楽しかったよ。」
その時、鬼道がゴーグルを取った。
影山「…久しぶりだな、お前の素顔を見るのは。」
影山は帝国学園のことを思い出していた。
影山「…お前には、もう必要ないか。」
鬼道「いえ、これからも使わせてもらいます。これは俺のトレードマークですから。」
影山「そうか…。」
警察「ミスターK、いや、影山零冶。傷害罪及び国外逃亡の容疑で逮捕する!」
ティアラ「そんな…!!ヤダ…!!パパ!!行かないでよ!!せっかくラティアとも分かり合えたのに…、ずっと一緒にいようよ!!パパ!!」
ティアラは影山にしがみつき、泣きながらそういう。そんなティアラの頭を、影山は優しく撫でた。
ティアラ「ラティアもずっと一緒にいたいよね?!」
ラティア「私は…、いたくありません。『今の』貴方とは。」
フィディオ「ラティア?」
ラティア「貴方が罪を犯したことは事実です。私は…、貴方にきちんと罪を償ってもらいたい。それが、今の私の願いです。」
影山「そうか…。」
影山はティアラを離し、ラティアとティアラ、ここに小さな箱を渡した。
ティアラ「これは…?」
ここ「プレゼント?」
ラティア「開けてもいいですか?」
影山「ああ。」
3人が箱を開けると、ラティアの箱からはサファイアが埋めこまれた悪魔の羽の形をしたペンダントが、ティアラの箱からはルビーが埋めこまれた天使の羽の形をしたペンダントが、ここの箱からはアメジストが埋めこまれた蝶の形をしたペンダントが入っていた。
ここ「可愛い!!」
ティアラ「これを私達に?」
ラティア「ありがとうございます!お父様!」
影山「私がこの言葉を口にすることなど無いと思っていたが…、ありがとう。フィディオ、そして鬼道。」
フィディオ「監督…、」
鬼道「影山…、総帥…、」
ルシェ「どこ行くの?ルシェ、話したいこといっぱいあるんだよ!」
影山「また手紙出すよ。」
ルシェ「おじさん…、」
影山は警察とともに、スタジアムを去っていった。
ラティア「お父様!!!私、貴方が帰ってくるの、ずっとずっと待ってますから!!!貴方が帰ってきたら、一緒にお父様とお母様のお墓参りに行きましょう!!私…、皆とずっと待ってますから!!!」
ラティアは喉が嗄れるくらい大きく叫んだ。
フィディオ「ラティア…、」
ラティア「これで良かったのよ。私にとっても、お父様にとっても…、」
ラティアは振り向き、笑顔を見せた。そして、澄み切った空にこう呟いた。
ラティア「さようなら。
———また会いましょうね。もう1人のお父様。」
***
姫佳「イタリア戦、終わった———!!!そして感動した〜!!!(T_T)」
全「「「煩い!!!」」」
姫佳「だって泣けたんだもん!!!フィディオがカッコよすぎたんだもん!!!」
ラティア「貴女が書けば感動も何もないけど。」
姫佳「Σうっ…;;」
ティアラ「んじゃ、コメ待ってます!!」
姫佳「次回、双子姫が思いっきり病みます。あっ、ラティアメインに書きますけど。」←