二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.35 )
- 日時: 2012/03/11 15:46
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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—700年前
奴隷にされて、2年たったある日。
奴隷としてもらう仕事はどれも過酷なものばかりで、
唯一の幸せは、弟——セラ——の顔を見れる事だけだった。
「お姉ちゃん」
私は、今19歳。
セラは、今17歳。
セラも、大きくなったと思う。
まあ、2歳しか変わらないから、あまり子供扱いなどできないけれど。
「どうしたの?何かあった?」
「其処に海が見える場所があったんだ。」
—行かない?そう尋ねるセラに、頬を緩ませて「うん」と答えた。
すると、セラは太陽の様な笑顔を見せた。そして私の手を引っ張って其処へ連れて行く。
「……此処だよ、」
「…わ、」
思わず声が出る。見えたのは、きらきらと太陽の光を反射して輝く、蒼い海があったから。
「……凄い」
蒼ノ国で最後に見たとき以来、海なんて見ていない。
ううん、見せてくれなかったんだ。
「ね、凄いでしょ。お姉ちゃん。」
「うん。…それで何でこんな場所しってるの?」
「…昨日、たまたま見つけたんだ。綺麗でしょ」
…確かに、綺麗だ。蒼ノ国と、同じくらいに。
「お姉ちゃんは、海みたいだ」
「………え?」
「海みたいに広くて、全部優しく受け止めてくれる。」
「おれは、海が好きだよ」
***
( pppppppp )
目覚ましが、鳴る。
3時を知らせる時計。…2時に寝たばかりなのに。
それも仕方がない。奴隷は1時間しか眠れないのだから。
カビの生えたパン1欠片と、泥に近い茶色い水を、ごくごくと流すように飲む。
その度に、吐きそうになるけど何とか抑えた。
食事を与えて貰ってるだけありがたいと思わなきゃならない。
「交代の時間だ。今働いているチームは1時間休憩してよし。
それでは、次のチーム!働け!」
「「「はい!」」」
今、私達は大きな宮殿の建設にあたっている。
何に使うかは知らないが、とても重要なものだそうだ。
「ぼけーっとしてんじゃねえよ!働けゲス共ぉ!」
鞭の音が聞こえて目を瞑る。鞭の音が聞こえなくなると次の被害者は誰だろうかと目を開けた。
「いったいな!やめてよ髭豚!」
「何だと!この雌猫があ!」
……リルじゃないか。
彼女の名は、エクルセル・リル。
ネコネコの実、モデル〝ロシアンブルー〟を食べた、能力者。
灰色の髪に、オッドアイ——左目は青、右目はピンク——の目が特徴だ。
まだ15歳という若さ。何故か私になついている。
「うわああああん!髭豚がぼくを虐めるぅぅ!」
—ちなみに女の子なのに一人称は「ぼく」だ。
リルは私に凄い勢いで突進すると、私の胸にほほを寄せる。
「大丈夫?」
「もう、酷いよね!ぼく何もしてないのに!」
「…何もしてないのが悪いんじゃないかな…」
リルは、髭ぶ……間違えた、指揮官にべーっと舌を出すと、私にぎゅうううっとまた抱きついた。
「リル!そのへんでやめといたら?困ってるよセナ姉」
「何!あんた、そう言ってセナ姉に抱きしめて欲しいんでしょ!
ぼく、わかってるんだよ!」
リルを注意するのは、エクルセル・ミル。
ネコネコの実、モデル〝スコティッシュ・フォールド〟を食べた能力者。
クリーム色に近い茶色の髪と、オッドアイ——左目がオレンジ、右目が青色——が特徴だ。
リルの妹で、一人称は「あたし」。
「セナ姉ごめんね。あたしのお姉ちゃんが…」
「ははっ、いいよいいよ。リル達の御蔭で幸せなのも事実だし」
「もー!それだからセナ姉は好きだよ!」
「あったり前でしょ!セナ姉だもん!ぼくもセナ姉好きだし!」
2人がいっせいに抱きついてきて笑う。
こんな日が、続けばいいのに。
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