二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【星のカービィ】月のアルティンクル ( No.6 )
日時: 2012/03/23 19:17
名前: ざう ◆9/FLiib5HA (ID: ELEtmaFx)



 陽が西に沈み、星たちが煌めく夜。二人は家の清掃をほとんど済ませて一段落ついていた。
 二人はリビングのソファに座り休憩をしていた。夜になり、家の中も、外も真っ暗。
 サンは、部屋のスイッチを手探りで探す。それらしきものを指で押すと、いっきに部屋は眩しいくらい明るくなった。

「うー、明るいなー」
「電気もつけずに作業してたからなー。でも、こんなに綺麗になったんだな」

 辺りを見渡すと、埃っぽい部屋は綺麗になり、過ごしやすくなっている。二人はまだ見慣れない家を見てそわそわしていた。
 不意に、ぐーという音が聞こえた。その音はアルの腹の音だ。アルは腹を抱えてぐったりとしている。

「お腹減ったあー……」
「……とは言っても、今から街に行くか?」

 この森は街からかなり距離がある。先ほどの森の方が、街に近かった。それに今は夜。二人は周りの景色に馴れていない。迷ってしまうこともあるかもしれないと考えた。

「……明日カービィに聞いてみよう。街の場所とか、この周辺のこととか、色々教えてもらおう」
「じゃあ晩飯はどうすんだよ?」
「…………」

 アルはプププランドに来てから林檎は食べたものの、それから何時間と経っている。サンはプププランドに来てから何も食べてない。もちろんお腹は空いているが、まだ我慢は出来ている。
 アルは少し考えると、その場から立った。何処かへ出かけようとしている。

「何処行くんだ?」
「……さっきの森には、林檎があったよね。この森にも何かないか、探してくるよ」

 アルは顔色を悪くして、歩く姿もふらふらとしていた。長時間何も食べてないサンは体力を持ちこたえていたが、あれほど林檎を食べたアルは今にも倒れそうな状態だった。
 サンはアルの左腕を掴み、「俺が代わりに探してくる」と言うと、アルのをソファに座らせ、家から出て行った。

「…………ごめん……」

 アルは、自分より空腹なはずのサンに出かけさせ、申し訳なく思い、その言葉を小さく呟いた。

「んっ…………」

 ソファに座っていると、段々と虚ろな目になり、アルの体は自然と横たわり、そのまま深い眠りについていった。


「ただいまー」

 一時間後、家のドアが開き、サンは家の中に入る。いくつかの林檎を抱えていたため、林檎がひとつ、床に転がり落ちた。
 その林檎を拾い上げ、テーブルの上に置いた。その時、ソファの上でぐっすりと眠っているアルの姿を見た。

「……せっかくさっきの森まで行って林檎を採って来てやったのに」

 はぁ、とサンはため息をつくと、二階に上がり、ピンク色の可愛らしいタオルケットを取ってくると、再び一階に戻り、アルの上からタオルケットを優しく包み込むようにかける。
 アルはとても気持ちよさそうな顔をしている。その顔を見て、サンは欠伸をすると、自分も別のソファに体を預け、そのままぐっすりと寝てしまった。




————ポップスターは他の星たちより、何倍もの光を放っている
悪いモノを近づかせないほどの、眩しい光を放っている————