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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.124 )
- 日時: 2012/07/15 16:19
- 名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: aMIPEMQ3)
「…よし、車之輔、ありがとう」
昌浩は妖車から降りると辺りを見回した。
深い闇に覆われている。そして、木。
ここは、山の中だ。
「——妖気が…すごい……」
禍々しい妖気が辺りに充満しているのだ。これほどならば、少し感じる者なら気分を悪くしてしまうだろう。
「だけど、妖怪はどこに…?」
妖気はあるのに妖怪の姿は見えない。
それどころか、虫の鳴き声すらしない。
「…逃げられたか」
昌浩の肩に乗った物の怪がチッと舌打ちを打った。
「——ここにはいないみたいだから、浄化だけして、一旦戻るぞ」
「…うん」
物の怪の言葉通り、昌浩は神言を唱える。すると、一瞬にして禍々しい妖気は消え去った。
「じゃあ…、行こうか」
昌浩は再び車之輔に乗り込み、そこをあとにした。
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