二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜 こめんと募集中! ( No.240 )
日時: 2012/08/19 16:51
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode


 第14粒「それぞれの誓い」


 「ゴメン、ありがとね。アレン」

 「いえいえ」

 「ふぅーー。心の中に雲がやっと晴れた気分! ホント、すっきりした」

 あの時から、心に縛られてた鎖が、ようやく一つ外れた、ような気がした。

 「・・・決めた。あたし決めたよ、アレン」

 ニコッと笑顔を浮かべたあたしに「えっ?」とアレン。あたしは続けた。

 「たぶん、『預言』は実行されるかもしれない。けど、されないかもしれない」

 リズ師匠のが、たぶんその通りだったから。

 「だからね、あたしに関わった人は全て、」

 あたしは教団に響かせるような大きな声をはりあげて、言った。

 「あたしが守る!!」

 一息おく。

 「『預言』なんて実行させないし、守るよ、全て。だから・・・」

 あたしはアレンを見つめて笑顔で言った。

 「アレンがピンチな時は、あたしが守ってあげるからね!」

 アレンはクスリと笑うと

 「ありがとうございます。じゃあ、僕はもサクラや教団のみんなを守りますね」

 アレンは笑顔を浮かべた。

 そうしているうちに目的地に着いた。

 「さあ、ついた! アレンの部屋はここだよー」

 ドアを開けると、そこはいたってシンプルな部屋だった。ベットや机、イスがあるのはもちろん、壁には絵が飾られている。

 「ここはもうアレンの部屋だから、内装は自由にしていいよ」

 「ありがとうございます」

 「ああ、あと」

 部屋を去ろうとしたあたしはアレンに告げる。

 「あたしの部屋は、食堂脇の隣。何かあったらいつでも来ていいからね」

 「あ、はい」

 「じゃ、またね」

 そうしてドアを閉め、あたしは自分の部屋へと向かった。


   * * * * *


 「ふうーーーーー」

 ドサッと部屋のベットにもたれかかる。

 「・・・・・・・・・・・・・・・。ティムキャンピーはどこ行ったのかな・・・」

 思えば、ティムキャンピーは対アクマ武器を修理(修理と呼べるのか分からないが)し終わった後からいなくなっていた。

 ふと、視線を上に上げると壁の絵が目に入った。その絵は、柩を背負ったピエロが鎖に繋がれながらも歩いている絵だった。

 「やっと・・・、ここまで来たよ。マナ」

 アレンはベットの上に乗る。

 「やっとスタートラインだ」

 絵に、神が宿る左手を当て、

 「『立ち止まるな』『歩き続けろ』。あんたがいつも言ってた言葉・・・」


 ———宿命なんて関係ない。これは、僕が自分の意思で選んだ道だ。


 「誓うよ・・・。何があっても立ち止まらない。命が尽きるまで、歩き続けていく」



 今、少年と少女の誓いは、立たれたり———。  


  〆 8月19日