二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.8 )
日時: 2012/07/11 18:00
名前: 黎 (ID: N7iL3p2q)

「萌香!今から体育館に行くでしょ!?だったら一緒に行こうよ!」
 今は放課後。いつものように荷物をゆっくりまとめる萌香に桃井は身を乗り出して誘った。
 …眼をきらきらさせながら。
「…やっぱり…私、体育館には・・・。」
 萌香はギュッと鞄を握りしめながらうつむいた。
「萌香・・・。」
 桃井はつらそうな萌香の顔を見て、誘うことをあきらめかけたとき、
「おい。さつき。いくならさっさといこうぜ。」
「みなさんに怒られてしまいますから・・・。」
「桃っち!ほら、白銀さんも行くっすよ!」
 青峰、黒子、黄瀬が2人の周りに群がり、体育館に行くことを急がせた。
「わ、私いかないってさっき・・・。」
「うるせー。さっさと行くぞ。」
「うわッ!」
 萌香は青峰に引っ張られてしまった。
「青峰君…!」
 いつもはめんどくせ—という青峰をしょうがなく見てきたさつきだが、このときだけさつきは青峰に感謝した。
「さあさあ、桃っちも行くっすよ!」
「行きましょう。桃井さん。」
「…うん!」
 桃井も2人に促され、体育館へ向かっていった。





ーーーーーーーーーーーー
「オー!ファイ!」
 バスケ部員の掛け声が体育館に響く。
「やっぱり・・私迷惑だろう?帰ったほうが・・・。」
 心配そうに萌香は桃井に話しかける。
「大丈夫よ!一応部活見学だし、あの赤司君が言ったんだし!」
 あははと桃井は笑顔で言葉を返す。
 ちなみにあの3人はランニングをしている。
『それに…。』
 ちらりと桃井は萌香とランニングをしている赤司を交互に見た。
『やっぱりそうなのかなあ…?』
「ランニング終了!10分間休憩だ!!」
 3年生の制止の声でハッと桃井は我に返った。
「ああ!私としたことが!」
「さ、さつき?」
 桃井はあたふたとドリンクの準備を始める。
 するとそこへ・・・。
「桃井。ドリンクをくれ。」
「あッ!みどりん!」
 冷静な声の持ち主は、緑間慎太郎。
 桃井からドリンクを受け取ると、それを涼しい顔で飲む。
 緑間はちらりと萌香を一瞥すると、
「白銀…萌香だろう?」
 といった。
「あ、うん。」
「おまえのことは知っている。学年で赤司に次ぐトップの成績。この俺ですら追い越せないのだよ。だが次は勝つ。」
「あはは・・。」
 萌香はそんな緑間に苦笑いをする。
 すると今度は、
「あれえ〜。この人誰?」
「白銀萌香なのだよ。」
 なぜか緑間が答える。
「あ〜。よく赤ちんといる人だ〜。」
 ゆっくりした声の持ち主は紫原敦。
「じゃあ、萌香ちんだね〜。」
「うん。よろしくな。」
 萌香は柔らかく笑った。
「萌香!ムッ君の呼び方を突っ込もう!?ね!?」
「さっそくだけどさあ〜。」
 ポリポリとお菓子を食べ始めた紫原。
「萌香ちんと赤ちんってどんな関係?」
「キャーーーー!!ムムムムッ君!?」
 爆弾発言する紫原に桃井は発狂した。
「何をっッ!いうのだよッ!」
 あの緑間でさえ、あわてだす。
 そして萌香は顔をカアッと赤くすると、
「わ、私と赤司はただの・・・」
「旦那と嫁だよ。」
「なッ!」
「ええ?!」
「…!」
「おい!」
 後ろから声が聞こえ、4人が振り向くと、そこにいたのは赤司であった。