二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

バカと鴉と召喚獣 ( No.8 )
日時: 2012/07/10 23:32
名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)

「問4」


「吉井隊長!横溝がやられた!これで、布施先生側は残り二人だ!」
「五十嵐先生側の通路だが、現在俺一人しかいない!援軍を頼む!」
「藤堂の召喚獣がやられそうだ!助けてやってくれ!」


 本陣に援軍を要請したいけど、戦力がなくなってしまう。ここは、僕らだけで持ちこたえるしかない。


「布施先生側の人たちは召喚獣を防御に専念して!五十嵐先生側の人は総合科目の人と交代しながら効率良く勝負して!藤堂君は可哀想だけど諦めるんだ!」
「「「了解」」」

 僕の指示に従って、陣形を組み始める。

「Fクラスが時間稼ぎを始める気だ!」
「何を待っているんだ!?」

 まずい、やりづらくなってきたぞ…。

「大変だ!Fクラスに世界史の田中先生が呼び出された!」
「まさか、長期戦に持ち込む気か!」

 世界史の田中先生は、おっとりとした初老の男性で採点の甘さに定評がある。ただし、採点に時間がかかるけど。
 Dクラスは木内先生を連れ出しているみたい。数学の先生で、採点の早さは群を抜いている。
 とにかく、前線を長く持たせるために、時間を稼ぐ。その為には!

「あれ?間に合った、かな?」
「鴉!来てくれたの!?」
「うん。召喚獣を操ってみたいから」

 そう言う鴉の周りには、烏たちが羽ばたいていた。同類に好かれているみたいだね。




「なんだ?あいつは」
「怪我しているようだが」
「Fクラスだから、たいした事ないだろう」
「お手柔らかに、 Fクラスの烏がDクラス10人に挑戦します」


 そう言って、出した召喚獣は僕を小さくして和服を着せただけの姿。ただし、右手に持つ本は六法全書のように分厚い。それに、たくさんの本が回っている。


『Dクラス 前線部隊×10人 平均90点

 科学        VS  

 Fクラス   鴉       628点』


「なっ!?なんだよ!俺たちが敵う訳ないだろっ!?」
「あいつは、化け物か!?」
「……ねえ、鴉」
「明久、今は何も言わないでね。では、腕輪発動するね。【召喚】」


 すると、開かれた本から神々しい天使が現れて、ニコリと笑って手に持つ剣で全てを斬り払った。
 彼らはなすすべもなく、見事に負けてしまった。

「うわぁぁぁぁぁっ!?補習なんなり、なんでもするから降参だ!」

 そう言って、Dクラスの前線部隊は全員、補習室に出頭した。

「凄いよ、鴉!あっという間に倒したじゃないか!」
「まあ、腕輪の能力に頼っているからね」