二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 転生ばっかですが文句ある!? [D灰] ( No.1 )
- 日時: 2012/07/25 15:26
- 名前: 魔堂 (ID: BKd.hc6i)
- 参照: バベルが最近お気に入り。歌いにくそうだけど。
[転生編 00.序章]
——気が付いたら白い空間でしたと言ったら、驚きますか??
答えはYESだ。だってさっきまで普通に横断歩道を歩いていたのだから。
どこもかしこもが白い空間で、少年は寝ころんだままの状態で上を見た。半開きの口は唖然としていることを表しているのだろうか。
おれんじ色の髪の少年は、小さくため息をついた。のっそりと身を起して、呆れた目でまっすぐに前を見る。何もない少年の正面。だが、少年には何かが見えているようだった。
「……で、なぜに俺は死んだのでしょうか。さっきまでは学校から帰る途中でぶらぶら歩いてたんですが。説明プリーズ」
確かさっきまでは某庭球漫画の世界にいたはずである。
いつも通り家に帰ろうとしていて、横断歩道を歩いていた。そして気づけばこの白い空間だ。
ちょっとつり気味の碧眼で、少年はじっと正面を見つめた。
『——ごめんなさい……』
「さてそれをきくのは何度目でしょーかっ!! 答えてくださいおじょーさんっ!!」
『……35回目ですっ!!』
「だーいせーいかーいっ!! って、え、マジ?? そんなに聞いてんの??」
少年の前にいきなり現れたのは桃色の長い髪をした小さな少女だ。
“長い髪”なんてものではない。長すぎる髪だ。その少女の身長の二倍ほどは長いだろう。
雪の様に白い肌をした少女は、その翡翠色の瞳でじっと少年を見た。
『ま、また失敗してしまいました……。トラックを暴走させちゃいまして……』
「……で、俺はそれにぶっとばされたと??」
『…………ハイ』
少年は“転生者”である。はじまりは、数年前のとある日。
発端は飛行機の墜落だった。奇跡的に乗客全員が無事だったと思えたが、一人だけ死者が出たのだ。それがこの少年だ。
そして気づけばどこかも分からない真っ白な空間であった。
そこで出会った少女によると、少女は“神様”であり、少年の運命を変えてしまった……らしい。
元は死者はでない予定だったそうだ。
(で、あの日から俺の転生が始まったんだよなー……)
お詫びにどこへでも転生させてあげませう!!とほえられ、少年がはじめていったのは某海賊漫画の世界だった。
が、そこでは戦闘中にやられて少年は死んだ。
神との約束では『その世界で、生きられなかった分を過ごしてきて下さい!!』だったはずだ、と再び空間に戻った少年は言った。
が、返ってきた言葉は……。
『失敗しましたーっ!!』
——だった。
その後も少年は幸せになる為いろいろな世界へ飛んだ。
某超次元蹴球漫画の世界、某死神漫画の世界、某錬金術漫画の世界、某剣客漫画の世界、某超能力漫画の世界……などなど。
そのたびに少年はあり得ない死に方をして、空間に戻れば見事に『失敗しました』の繰り返しである。
「……俺、転生ばっかしてるねー」
『も、申し訳ありません。つ、次はしっかりします!! ですからチャンスを!!』
「うぉい、なんでそんな上司と部下的な展開になってんの?! つか怒ってないし!! 大丈夫だよ!!」
『……うう…っ』
「だーーーーっっ!! で、次は何処へ?!」
重い空気は嫌いである。
少年は慌てて少女(ドジっ神)に尋ねる。少女は涙目でぼそぼそと説明を始めた。
『つ、次は……某悪魔祓い漫画の世界です……』
「うん、って言っても結構あるからね。ちゃんとタイトル言おうね!!」
『で、でーぐれーまん?? です……』
ちゃんと覚えてねぇのかよッッ!!と突っ込みたくなったが、あえてそこは抑えた。
正しくは『D.Gray-man(ディーグレイマン)』だろう。少年も普通に生きてた頃に読んだ事はある。
(確か……イ、イノセント?? とかでてきたっけか??)
『“イノセンス”です……』
「はい読心どーも。で、俺の“イノセンス”ってやつは何??」
『それはあちらに行ってからわかるかと……』
「あー教えてくれないのね、はいはい了解」
『す、すいません……。で、では行ってらっしゃいませ!! 今度は失敗しないようにします!!』
「よろしくっ!!」
次の瞬間、少年の意識はぷつりと途絶えた。
* * *
はい、序章ですね!! 本気でgdgdすいません。
読んでいただけた方、本当にありがとうございます。