二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.8 )
- 日時: 2012/08/18 13:13
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第四輪 -二人創作-
池に映る月は、普通に見るよりとても綺麗だった。水面が揺れると月も揺れ、頭を覗くと月は消える。とても不思議なものだった。
「あら、丕くん。どうかしたの?」
「・・・若菜さん」
風呂上がりの若菜さんは新鮮で、ちょうどよかった。聞きたいことが・・・沢山ある。僕と鯉伴さん・・・鯉伴との関係が。ボクには何の記憶もないから・・・。
「・・・そうね。あの人と兄弟って事は知ってたわ」
「そうですか」
「でも信じられなくてね。あの人は大きかったのに、貴方はまだリクオくらいの大きさだったもの」
「・・・というと?」
「妖怪の輪交繋は、成長速度が遅いんだって。丕くん達はぬらりひょんの血も引いてるから、最初だけだと思うけど」
「そうですか」
もう少し聞きたかったけど・・・触れてはいけない気がした。若菜さんと別れて部屋に戻ると、布団を敷いて横たわった。
「・・・輪交繋」
鯉伴との関係は・・・把握出来た。でも・・・輪交繋。母の健在が確認できない。どこかにいるのだろうか。それとも・・・もういないのだろうか。ぬらりひょんは「またいつか聞きにくるといい」と言った。それは・・・いつを表すのだろうか。
「・・・リン」
「え?」
「・・・ケイ・・・・・・・リンコウケイ・・・」、
外から声が聞こえる。輪交繋と、僕を呼ぶ。障子を開けようとしたが、背筋が凍った。影が障子に映る。その影は・・・笑っている。なぜそのように見えるのかわからない。ただ・・・笑っている。
「リンコウケイ」
「誰だよ・・・お前」
「リンコウケイ」
「誰だって!」
「リンコウケイ」
ただその言葉を繰り返す。まさか・・・輪交繋本人なのかもしれない。でも、手が動かない。開けられない。開けたくない。手を障子から話すと、一気に障子がものすごい勢いで開いた。
そこにいたのは紛れも無く・・・見たこともない、ただの輪が集まって人の形をした者だった。
「・・・お前は」
「リンコウケイ」
・・・眼を開けると、天井がみえた。日差しは障子に隠れて直接は来ない。・・・夢だったんだ。全て・・・。でも、何かの忠告のようにも思える。
「丕!!」
「奏?」
「学校行こ!!学校!!!」
張り切って、ランドセルを担いで踊る。リクオを叩き起して、食事させた。僕はご飯なんて滅多に食べない。食べるとしたら、総会の時かな。・・・総会に参加したこと1回しかないけど。
リクオがいつも乗るバスより、一つ前のバスに乗った。二人きりで、手を繋いで・・・誰も寄せ付けないように、「僕等の世界」を作る。