二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.251 )
日時: 2012/10/27 22:57
名前: めた (ID: UcmONG3e)

 第六章 旅立ち

 —失われた力は
  価値あるものの訪れにより
  再びよみがえる



「あ、目が醒めたカ!」

ティアが目を開けると、すぐさま誰かの声が喜ぶ。

聴きなれない声だが・・・というかむしろ、ここはどこだろう?

黙っているとその声の主はなおも言う。

「ラウカは、一生懸命面倒みたゾ!」

ベットに横たわったままのティア。

その声に感謝したいけれど・・・心はずんと沈んでいる。

「ありがとう・・・」

かすれた声でつぶやくとラウカという人物は首をかしげる。

ベットから見える限り、ラウカは真っ赤な髪の少女だ。

獣の牙のようなものを首飾りにしている。

格好はやはり獣の皮で作った装飾品を身にまとっている。

そして、人と違う耳。

ひょこっと真っ赤な髪の間から、ネコのような長い耳が突き出していた。

ねこみみ・・・。

巷ではやる要素ではあるが、かわいらしいというより野生的と言ったほうがあっている。

方耳には耳輪が入っており、豹のような色である。

ラウカはティアを緑色のきれいな目で見つめる。

赤い髪はレンポを、緑の目はミエリを思い出させる。

悲しみにゆがむ表情を見て、ラウカは声を上げた。

「? 目醒めても元気ないゾ?どうしタ?」

ラウカに心配されてもティアは病んだ心が癒されないことに悲しみを感じた。

誰と話そうが、誰も信じてくれない。もういい。一人にして・・・。

ティアの心はそれを望んでいた。

けれどラウカはひらめいたようにティアにいう。

「わかっタ!おなか減っているんだナ!ラウカもおなか減っタ!」

にこっと笑顔でいうラウカ。

その声に反応するように聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「お?やっと気が付いたな?」

ヒースだった。

ティアの表情を見て笑い声を上げる。

「ははは、驚いただろ?ここは俺の知り合いの家でね」

知り合いとは・・・きとラウカのことであろう。

見渡せば、木で作られた家だと分かる。

けっこう広くてまどまであり、光であふれている。

新鮮な空気があふれており、床もちゃんと作られ、獣のマットまであった。

そうか、ここがラウカの家・・・。

家—ときいてズキンッとティアはまた心が痛んだ。

カムイは家をなくしたといっていた。

“僕は家を失ったよ・・・その上君はファナまで奪ったんだ”

脳裏にがんがん響く悲痛な叫び。

ファナ・・・・。

思い返すだけでつらい。いっそのこと、記憶がなくなってくれたらどんなにいいか!

その表情を読み取ったのかヒースが静かに言う。

「まだショックが大きいようだな。しばらくここで気持ちの整理をするのもいいだろう」

ティアはこくんと頷いた。

その元気のない姿にラウカも言った。

「街の奴らにいじめられたカ?だいじょうぶ、ここは街から遠イ」

ティアに笑顔でラウカは言う。

「気の済むまでいるといイ!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゆめさん はい!見てますよー
精霊一人と契約を結ぶんだったら、私はレンポですかね・・・
そちらもがんばってください!