二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク
- 日時： 2014/02/09 17:45
- 名前： 小雨 （ID: FvJ38Rf9）
はじめまして。
だいぶ遅ればせながらbw発売記念と言う事で、お目汚しさせていただきます。
***注意事項***
*ポケットモンスターの二次創作小説です。
*基本一人称視点で進行。
*bw記念といいつつ、舞台はホウエン地方です。
*登場ポケモンは第五世代までの範囲で登場します。原作のキャラ達も何人か登場しますが、作者はアニメ版をあまり見ていないので、アニメ版には準拠しておりません。ので、アニメを見ている方は違和感を感じることがあるかと思います(すいません)。
*い ち お う ルネシティに住む少年のスピンオフ的作品です。てことで、始まりはルネシティ。なんでそんなモブキャラを選んだのかというと、レジ系ゲットしたくて久々に起動した第三世代ROMのルネシティの雰囲気に魅了されてしまったためです。
*作者の都合のいい解釈、展開、本編との矛盾などが多数出てくるかと思いますが生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。全ては作者の力不足に依るものです。尚、このホウエン地方は皆様の冒険したホウエンではなく、パラレルワールド的なものです。
*作者のランダムマッチにおける勝率は二回に一回程度のレベルです。ネット対戦勝てない人挙手。
*感想等お気軽に頂けると小雨は喜びます。大変申し訳ありませんが、本作品やポケモン等に全く関係の無い話題や雑談等の書き込みはご遠慮くださいますようよろしくおねがいします。
大体ここら辺が許せる方、よろしくお願いいたしますー。
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- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク【キャラ名募集】 ( No.602 )
- 日時： 2013/11/24 00:50
- 名前： 小雨 （ID: ???）
182話 卑怯者たちの戦い
「はっはっは！昔を思い出したんじゃあねぇか？狒々王！」
全身に炎を纏った狒々王からは、圧迫感が溢れ出していた。
「ほざけ！」
猛る両者が薄暗い洞窟の中で激突し、ぶつかり合う音が天井の高い空洞内に響き渡る。
洞窟内の澱んだ空気が弾けるように霧散する。
幾度も繰り返しぶつかり合う拳。
それは相手を倒すためではなく、殺すための拳だった。
相手の全てを根こそぎに奪うための拳だった。
一撃一撃が命の灯火をかき消さんとする。それはまさしく、かつて砂漠で繰り広げられていた光景そのものだった。
砂鰐がその発達した大顎を開き、狒々王を噛み砕かんとする。
狒々王は地を這うようにしゃがみ込むと、そのまま砂鰐の足を払う。
バランスを崩した砂鰐を、狒々王の拳が打ち据えた。
「つぅっ！」
仰け反った砂鰐を逃がさんとばかりに、狒々王が炎の拳を叩き込む。拳に纏う炎は徐々に膨れ上がり、一撃ごとに砂鰐を焼き尽くさんとばかりに踊り狂った。
「終わりだ！」
砂鰐の命の灯を飲み込まんと言わんばかりに肥大化した狒々王の炎が、砂鰐に向かって繰り出される。
「っらぁ！」
砂鰐の巨大な尾が唸りをあげ、大振りになり隙が生じた狒々王の胴体を殴打する。
予測していなかった攻撃に、狒々王の巨体は大きく弾き飛ばされた
「調子乗ってんじゃねぇぞ、あぁん！？」
砂鰐が膝を付き地面に手を添えると、一瞬にして大地が隆起を始める。それはすぐに全てを洗い流す土石流のように変質を遂げ、狒々王を飲み込むために襲いかかった。
「くっ…！ぬううううううう！」
狒々王の赤銅色の体色が瞬時に塗り替えられていく。フォルムチェンジをした狒々王は、その全力の念動力を持って土石流を真っ向から受け止めた。
二つの力がぶつかり合い、互いを押しのけんと火花を散らす。
「っ……うおおおおおお！」
狒々王の裂帛の気合とともに土石流に風穴が空き、緩やかにその動きを止めた。
「変わったな？」
背後で砂鰐の声がした。
狒々王が慌てて振り向いた時、砂鰐はすぐ後ろに立っていた。
砂鰐の大顎が、フォルムチェンジを許さんとばかりに狒々王を捉える。
「ぐあっ！」
深く食い込んだ砂鰐の牙は、狒々王の抵抗にも緩むことはなかった。
「ぐおおおおおっ！」
狒々王は渾身の力を込めると再び全身に炎を纏い、爆発させるように解き放った。猛烈な熱波と閃光が周囲を覆う。
狒々王のオーバーヒートは、再び両者の間に距離を生んだ。
ダルマモードを解いた狒々王が荒い息を吐く。砂鰐の呼吸も乱れていた。
見ると、砂鰐は足に大きな火傷を負っていた。
「まったく、憎たらしい男だ…しかしその火傷ではもはや動けまい。3度熱傷といったところか？ん？」
「虫の息のてめぇに言われたかぁねぇぜ。そろそろガス欠じゃねぇのか？ゴミ野郎」
両者の体力が底をつきかけているのは明らかであり、それは決着が近い事を意味していた。
この殺し合いにおいて、痛み分けという結末は存在しないのだ。
狒々王が動き出す。対する砂鰐は、未だ動けないでいた。
腕をダランと下げて肩で息をする姿は、格好の的のようだった。
"砂鰐は動く"
狒々王は確信するようにそう感じていた。
砂鰐の地面を操る力ならいくらでも覆い隠す事ができる火傷という不利な情報をそこに晒し、ただ立ち尽くしている。そんな間抜けを、砂鰐が犯すとは思えなかった。
狒々王の脳裏に、砂漠での戦いの日々が蘇ってくる。肉を切らせて骨を断つ。砂鰐が得意とする戦法だった。誘い込んでいるのだ、砂鰐は。
手の内が読めてしまえば、どうということはない。奴が火傷を負っていることは事実。ほんの少しタイミングを外して初撃さえ空振りさせてしまえば、こちらの思うがままになる。極大の炎と共に止めの一撃を叩き込んでやるだけで、憎い砂鰐は動きを止めるのだ。
ガス欠と砂鰐が言った事は、事実だった。狒々王の炎の力も、尽きる寸前だった。これが互いに最後の打ち合いになる…！
狒々王は砂鰐めがけて一直線に突き進んだ。
その一挙手一投足を見逃さぬように。攻撃の気配を見逃さぬように。
一撃必殺の炎を、拳に宿しながら。
瞬間、狒々王の体が大きく宙空に放り出された。
周囲の景色がスローモーションのように緩やかになるのを、狒々王は感じていた。
なにが
なぜワシは
宙を？
奴は
宙を舞う狒々王の視界は、すでに砂鰐の姿を捉えてはいなかった。
代わりにその目が捉えたのは、地面から生えるように突き出ている小さな突起物だった。
よく見るとそれは、腕の形をしていた。土石流を生んだ際、砂鰐が仕込んだものに違いなかった。
「十万億土を踏みやがれ」
周囲の音が、まるで彼方に置き去りにしてしまったかのように遠くから聞こえる。
その中で、狒々王の鼓膜は、憎い声だけを、なぜだかクリアに、捉えていた。
まずい！
まずい！
おのれ姑息な手を！
ふざけるな、このワシが…！
様々な思いが狒々王の脳内で交錯し、一つの言葉を紡ぎ出す。
「…卑怯な…っ！」
「痺れるねぇ、そのセリフ」
砂鰐が笑う。クハハと笑う。
宙を舞い砂鰐の懐に飛び込んでくる狒々王が最後に耳にしたのは、怨敵の笑い声だった。
- ポケモン ( No.603 )
- 日時： 2013/11/24 14:26
- 名前： さだこ （ID: Gx2AelYh）
はい、そうみたいどす。ほんまにいつもありがとうございます。
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.604 )
- 日時： 2013/11/26 23:50
- 名前： 小雨 （ID: ucO1mLFu）
アクセスできるようになりました。よかったー。
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.605 )
- 日時： 2013/11/27 21:24
- 名前： さだこ （ID: Gx2AelYh）
良かったどすな。
これからも宜しゅうお願いします。
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.606 )
- 日時： 2013/12/05 17:14
- 名前： さだこ （ID: Gx2AelYh）
小雨さん、どうしたどすか?最近、コメントに参加していないようどすが?
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