二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- (庭球) 哀れな少女の行く末は(首無)
- 日時: 2011/03/25 14:43
- 名前: 無架(ナシカ) (ID: Gz/gGLCR)
( ねえ、その“憎い女”ってのに復讐してみない? )
( 大丈夫、俺の言うことを聞くだけだよ )
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観覧を感謝致します。
此処では、テニスの王子様×デュラララ!!の混合をしようかと←
オリキャラがいっぱいでます、ご注意を。
宜しければ見ていって下さい!
えと、BAD END になる可能性もあります、注意して下さい。
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( きゃらくたあ、! )
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- ( きゃらくたあ、! ) ( No.1 )
- 日時: 2011/03/25 14:01
- 名前: 無架 (ID: Gz/gGLCR)
- 参照: どうもこんちゃ←
▼は味方、▽は敵、●は中立、○は黒幕
<氷帝学園>
▼遮音 亜理紗(シャオン アリサ)♀ − 主人公
▽寺井 真理(テライ マリ)♀ − 悪女
▼阿利須 締(アリス シマリ)♂ − 跡部の幼馴染
<立海大付属>
○折原 奏(オリハラ ソウ)♀ − 折原臨也の妹
●竹中 歩人(タケナカ アユト)♂ − 切原赤也の親友
<青春学園>
▼平和島 音(ヘイワジマ オト)♂ − 平和島静雄の弟
▽丸川 羽澄(マルカワ ハズミ)♀ − 悪女
●遊馬崎 凛音(ユマサキ リンネ)♂ − 遊馬崎ウォーカーの親戚
( 増減ありかもね、! )
- ( act.0 ) 少女と情報屋 ( No.2 )
- 日時: 2011/03/25 14:48
- 名前: 無架 (ID: Gz/gGLCR)
新宿のとある高級マンションの一室。
「まぁ、適当に座りなよ」
「……は、はぁ……」
その部屋は整っている、というよりは家具の少ない質素な部屋で、部屋には白いソファと大型テレビ、透明なテーブルの上にはまっ黒な業務用パソコンしか置かれていない。
そんな部屋に少女二人は居た。
もう片方の、黒髪で顔立ちは少年に似た風貌の少女に促され綺麗な亜麻色の髪の毛をツインテールにした少女はソファへと腰掛ける。
十数分ほど経ち、先程の黒髪の少女がココアが入ったマグカップをツインテールの少女の前に、自身の前にはコーヒーの入ったマグカップをことりと置く。
そして、容姿端麗という言葉が相応しい整った顔に人の好さそうな笑みを浮かべて、少女—折原奏—は本題に入る。
「で、何の情報が欲しいの? 遮音亜理紗ちゃん」
遮音亜理紗、と呼ばれたツインテールの少女はびくりと反応し、奏の問いかけに答えるべく口を開く。
「寺井真理と、丸川羽澄をご存知ですか……?」
「うん、知ってるけど? いざ兄や俺の常連さんだし」
おずおずと言った感じの亜理紗の口から出てきた人の名に、あっさりと奏が頷く。
それに安堵した様子を見せつつ、亜理紗は寺井真理、丸川羽澄という人物の事について話し始めた。
事の始まりは五年前、まだ三人が小学生の頃。
「アンタなんか死んじゃえば? まじ汚いんですけどー」
「や、やめてよぉ……」
「アハハッ、じゃあ大人しく真理やうちの言うことを聞くんだね!」
亜理紗はその時はまだ、可愛くもなく綺麗でもない、俗にいう不細工であり勉強はまあまあ、運動ができないという落ちこぼれだった。
その所為か、亜理紗はずっと寺井真理や丸川羽澄を始めとしたクラス全員にいじめられていたのである。
亜理紗にも、心強い味方は居たのだが。
「ふーん。……で?」
「で? と言われても、……」
そんな過去を話されようが、奏には全く関係のないことだった。
情報屋として、蚊帳の外の傍観者として、——女の復讐劇という茶番に付き合わされる気はさらさらない。
弱みを教えるのも構わないが、自身の兄や自身に迷惑が掛かるのならば教えるのも億劫だ。
さて、この女は何と答えるのだろうか。
ドキドキと期待に胸を高鳴らせ、亜理紗の言葉を待つ奏。
「——弱みを、教えてください。あの女はアタシからすべてを奪った……憎いです!」
その言葉に満足したのか、くすっと奏が妖艶に笑む。
「ねえ、その“憎い女”ってのに復讐してみない?」
「……、ぇ?」
奏の言葉に唖然としている亜理紗。
それに構わず、奏が言葉を紡いでいく。
「大丈夫、俺の言うことを聞くだけだよ。そうしたら君の復讐も叶うし、俺も楽しい。ね?」
あまりにも都合の良すぎる話、などと亜理紗が気づくわけも無く——……
情報屋であり傍観者、折原奏の罠にまんまと引っかかってしまうのである。
亜理紗が頷いたのを見て満足そうに笑む奏。
そして、亜理紗が帰っていった後に——……
「……っぷ、……あははははははは!! 良いね、だから人間は面白いんだ。面白くて——たぁんじゅん」
一人、奏は部屋で狂ったように笑う。
それを亜理紗が知るわけでもなく——……
「……復讐、か」
亜理紗は罠に引っかかったことに気付かず、一人複雑そうにつぶやいたのだった。
( act.0 )
- ( act.1 )情報屋と家族 ( No.3 )
- 日時: 2011/03/25 17:39
- 名前: 無架 (ID: Gz/gGLCR)
俺は、何時からいざ兄みたいになったんだろう。
俺は、何時から人の不幸を嘲り喜ぶようになったんだろう。
俺は、何時から一位を目指していたんだろう。
— act.1 —
何時ものように寝て、何時ものように起きて、何時ものように挨拶して、何時ものように学校に行って、何時ものように——……
つまらないそんな日常が、少女は大好きだった。
「奏、おいで」
大好きなお兄ちゃんが両手を広げてくれた。
「ほら、奏! お姉ちゃんの方に飛び込むんだっ!!」
「……私の方」
大好きなお姉ちゃんが抱っこしてくれた。笑ってくれた。
「————奏、今日は何が食べたい?」
大好きなお母さんが手を繋いで問いかけてくれた。
「奏、また成績が上がったな」
大好きなお父さんが頭を撫でて褒めてくれた。
だけど。
お兄ちゃんは変わってしまった。
お姉ちゃん達も変わってしまった。
お母さんは居なくなった。
お父さんも居なくなった。
だから、少女は次第に歪んでいった。誰にも負けたくないと、そう感じて、必死に勉強して、必死に強くなって、必死に、必死に、心の壁を作った。
関わるのが怖いんじゃなくて、変わっていくのを見ているのが一番怖かった。
だから、誰とも関わらないように少女は壁を作った。
「まぁ、……人の不幸を嘲るのは元々かぁ」
くすり、とソファにゆったりと腰を掛けてそう呟く。
右手に握られた携帯は力が入り過ぎて既に変形してしまっている。そのことを全く気にせず、奏は口元を歪ませたまま自身の業務用ノートパソコンを開き、すごい速さでキーボードを叩きはじめる。
そしてふと、思い出したかのように姿の見えぬ人物へと声を掛けた。
「ねえ、隠れてないでおいでよ。俺が招いたんだしさ。——越前君」
「何だ、気づいてたんだ。相変わらず性格悪いよね、アンタ」
「君には言われたくないなあ」
くすくすと考えの読めない笑みを浮かべ、「どーぞ」と部屋に入ってきた少年—越前リョーマ—をソファに座るよう促す。
そして、こくりと一口コーヒーを飲めばすぐに真剣な表情を浮かべる。——否、貼り付ける。
そうでもしないと笑みが零れそうだったから。
「で、用件って? アンタが招くなんて珍しいこともあるもんだね」
「生意気。仮にも先輩なのにさぁ」
「たった1年だけなんだけど?」
やっぱり自分に真剣な表情は似合わないようだ。
いつもの先が読めない笑みを浮かべて、それでも真っ直ぐリョーマを見据える。
「……丸川羽澄の監視、かな」
「ヤダ」
「…………」
頼みごとをあっさりと断られ奏はむ、と口唇を尖らせる。
そして、——不意にこう言った。
「仕方ないなあ、越前君の好きなジュースを毎日1本買ってあげるよ」
「それ、本当?」
「本当。だからお願いするよ」
リョーマは即座に態度を変え、「やっても良いッスよ」などと言う。
その返答に満足したのか、奏はにやりと口角を釣り上げた。
その後、リョーマとの契約が成立し、リョーマが帰っていくのをベランダでぼうっと見つめつつ、不意に奏が呟いた。
「復讐、か……」
本来ならば自分が一番したいこと、等とは言わない。だけど、奏にも殺したいくらいに憎い人物は居る。憎いやつが居るかと問われ、真顔で「平和島兄弟とか、ね」なんて昔、奏は実の兄臨也にそう言った。
流石に臨也も驚いていたが、俺の妹ということで納得したらしい。
「やーめたっ」
飽きたように、パソコンをばたんと閉じる音がした。
画面に映し出されていた言葉は——……
『 お父さん、お母さんへ。
改まってお手紙を送ると、とっても気恥ずかしいです。
でも、学校でお父さんやお母さんに感謝の手紙を宿題に出されました。
だから、書きます。
お父さん、何時も褒めてくれてありがとう。
お母さん、何時も撫でてくれてありがとう。
そして、うんでくれてありがとう。
折原 奏 』
小学生の頃、何とか海外に居る父母へ送ろうと兄と一緒になってキーボードを必死で叩いていたのを今も覚えている。
結局お墓入りだったこのメールを何故今頃送ろうかと考えたのかというと——……
久しぶりに、家族が恋しくなったから。
「こんな時期に寂しいなんて言ってられないなあ……もうすぐ、復讐劇が始まるんだし」
そう笑い、奏は少し名残惜しげにパソコンを閉じた。
( act.1 )
( 寂しくなったわけじゃない、 )
( ただ、無性に会いたくて )
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