二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *★*——藍色扇子【銀魂】——*★* ( No.7 )
日時: 2008/08/08 21:04
名前: 帽子屋 ◆hFePuZdLaE (ID: ff/SEmxn)
参照:          Ghanaってさー     美味しいよねー           

*★*——第一章【過去編】——*★*
第一訓【喋らない奴の声が聞きたくなる】

我は松陽先生に連れられてここに来た。

いるのは皆男ばかり。

剣術や武術を学びたいと言ったのは我だが。

ムサい男共の中で学びたいと言った覚えは無いぞ、先生。

そして、先生は席を指した。

お前はあそこに座れ、と。

横にいるのは頬杖をついた男(おのこ)。

我は先生に一礼し、その席に座った。

それから、先生の授業が始まったな。

先生の授業はとても分かり易いのに。

横の男ときたら、頬杖をついてつまらなそうにいる。

失礼ではないか?

貴様、それでも武士かと言いたかった。

でも。その頃はまだ恥かしがりやな阿呆だったからな・・・我は。

言えなかった。目が怖かったな、あやつの。

そして。

我的に楽しかった授業は、終った。

皆、家に帰っていく。

我は帰る家が無かった。

我が幼き頃、両親は天人に殺された。

まだ、全然“敵をとる”などの末恐ろしい事は考えていなかった。

しかし。

皆が帰っていく中我だけ一人だという事が、少し哀しかったな。

我は力無く教室の自分の席に座った。

夕暮れの景色が見える教室は一人で寂しかった。

机がたくさんある中で、座っている生徒が一人。

今考えてみれば笑えるな。

そんな時だった。

「お前・・・・帰らないのか?」

入り口から声がした。

振り向いた。

そこに居たのは、我の横の席の男。

「何で・・・何で泣いてるんだ?」

気がつけば我は泣いていた。

一人という孤独感のせいだろうか。

一人が嫌だったという感情のせいだろうか。

慌てて涙を拭った。

だが、もうバレているのだから。

無駄だったな。

我はこう返した。

『・・・・・・・・ゴミが目に入っただけだ』

・・・もの凄いベタな言いわけだったな、と今でも思う。

                       *★*つづく*★*