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Re: どう森バトル「ROMvsバグ」第37話 飛び入りの戦士 ( No.127 )
日時: 2009/03/30 22:55
名前: イベント三人組 ◆ixQSr5Dqhg (ID: GrtLFIxW)

>>120
お気に入りに追加しておきましたよー。

第40話 運命の歯車(前編)


目の前の少年は今命を引き取り、結晶へと姿を変えていった。
俺は無言で結晶を拾い上げる。

「やっぱりこいつ、嘘ついていたのか?」

「そうだ、こいつは密偵どころか俺を暗殺しようとしてたようだ」

「俺はそう思えなかったけどなー」

「戦場で本当に信じられるのは自分だけだ」

 俺は1ごうに目を向けず、手の中の結晶をずっと見ていた。
 セキエイとかいう奴だろう、白い水晶のような結晶だった。

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 数十分前の出来事。

「ここは駅か、電車でも走ってるのか?」

「いや、地下鉄だ。何処を見ても線路なんてないだろ」

「言われてみれば・・・」

「あっははは、氷介お前ケッサクだなそれ」

「う、うるさい!」

 まるでコントのようなことになっているな。
 とりあえず、駅へと入ることにした。

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 どこかの部屋、どこかの場所。

「あれ?あの人影は圭一君かな?かな?なんだか見たことない人たちと一緒に居るけど新人?圭一君がレナを裏切ることなんて、ないもんね。ねえ、圭一君」

 距離は離れていて届くはずもないのに彼女は喋り続ける。狂ったように淡々と。いや、本当に狂っているのだろうか。

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「ダメだ、まだ時間じゃないし。地下鉄は来ないぞ」

 地下鉄の時刻表を見ると、一番近いのは現在時刻の約30分後。何もない駅だしこれは退屈すぎる。

「30分か・・。駅ビルくらいザッと調べられるくらいの時間だな。だいたいこの空間で地下鉄なんか走っているのか?運転手すらいないだろ」

「自動運転だ、ちゃんと走ってる」

 何故か改札口の時刻表がビリビリに引き裂かれていたので、今はホームまで来ている。
 何故かこっちのは無傷だった。
 誰かもうここに来たのか?それともここへ俺達を誘い込む為に・・。

 ガー・・・。

 ん?

 ガーッ・・・。

「おい、何か聞こえないか?」

「ん?」
「へ?」

 この二人はまだ気づいてないのか・・。

「向こうの方から地下鉄でも来るんじ・・。!!
?」

 音のする方向を見た時、今更気づいた。線路が途中で切れており、端の方はぐにゃりと曲げられていた。
 そう、このホームへと向かって。

「お前ら!ここから離れろ!!」

 とっさに叫んだ後は何が起こったか解らなかった。目に映るのは猛スピードで迫ってくる地下鉄。
衝突の轟音。地下鉄から吹き出て来る火花。
飛び散るホームのコンクリのカケラ。
そして—闇。