二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: どう森小説「ROMvsバグ」 復活版  ( No.14 )
日時: 2008/08/20 18:36
名前: イベント三人組 ◆ixQSr5Dqhg (ID: 18vru4k2)
参照: http://nanasikibiyori.blog105.fc2.com/

第Ⅶ話 良心

 山道の近くにある弓練習場。そこは、少しばかり賑やかになってきた。

「なーるほどねー。そんであんた達はここを通ってる訳ね」

 ザイラは事件の時と変わって、オレンジの髪は色褪せ、黄色になって、ボニーテールでもなくなり、肩まであるぼさぼさのロングヘアになっていたため、ジャン達が言うまでザイラだと分からなかった。
 ザイラが言うには、この山の近くにザイラ達の村があるので、ここで弓を練習するらしい。
 ザイラ。傭兵をやっていて、ジャンとらっきょの姉貴分。事件時はモノトーンに雇われていた。弓使いで、放つと同時に相手に刺さる「ライトアロー」という技を持っている。

「で、それでザイラさん達にも協力してもらいたいのですが…」

 ザイラから見て左に座るレインが、本題移る。ちなみに、正面にライン、その右にツルギが木に寄っかかっている。ラルスはザイラから木の陰になり、見えない。

「ま、手を貸してやってもいいけどさ、それなりの物はあるんでしょーね?」

「はい?」
「は?」

 レインとラインが拍子抜けた声を上げる。

「あたしは傭兵だよ?こっちも仕事でやってんだからさ」

 あぐらで座るザイラは膝に肘をつき、口元をにやつかせ言った。

「分かった。じゃあ、後他に頼れそうな奴は知らないか?」

 ラインが言葉を返す。

「そうだねえ…、だったら村の知り合いに腕の立つ侍がいるけど、頼ってみるかい?」

「そうだな、よろしく頼む」

 返答はラインがした。勿論、断るメリットはない。

「じゃ、ちょっとばかしそいつの所行って来るから待っててな!」

 そう言うと、ずくにザイラは立ち上がり、かけて行ってしまった。
 そして、待ってる間、らっきょがこんな話をレインとプチにこっそりした。

「実はうちの村はな、貧しくってよ、サイハテ村のように募金援助も無い村なんだぜ。それで姉貴は村のみんなのために傭兵をやって稼いでんだぜ」

「へ〜っ、ザイラって性格はあんなんだけどすごくいい人なんだ〜!」

 プチは相変わらず空気を読まない。でも、ある意味お約束の展開だと思う。

「だろ?金に執着心があるのはこういう訳なんだぜ?」

「ははは〜♪ツンデレだねー♪」

「使い方間違ってないか?」

 と、レインが指摘する。

「いいのいいの♪」

 プチからしてみれば、「ツンデレ」を使いたかっただけのようだ。