二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: どう森小説「ROMvsバグ」 復活版 誰か来て…(切実) ( No.40 )
- 日時: 2008/09/11 18:51
- 名前: イベント三人組 ◆tY1wmpYRPQ (ID: bdGTRweV)
第19話 青い摂政(前編)
カサカサと音を立てて、落ち葉を巻き上げながら風が吹く。それはここオータムエリア。
今は市街地の歩道。今にも周りのビルから誰かが狙って来る可能性があると思うと、足がうまく動かない。そんな不安を持ちながら、ラルスは1人、歩いている。
「まずは誰かと合流しないと……。ああ、でも裏切り者の可能性もあるし…。だぁー!もう、裏切り者でもいいから合流したいよ!」
で、言った後。大声を出すと敵見つかる可能性があると、気づいた。もう大きい声は出さないようにしよう。
しかし、その近くでは。
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「太子、さっきっから何をそんなに怒っているんですか?」
市街地を歩くジャージの二人組。その後ろを歩く赤ジャージの男が前の青ジャージの男に言った。
「………聞きたいか?」
「はい」
「いや、断れよ。私が恐ろしくなかった?」
「はい、全く」
「え?そうなの?悲しくなって来たな…。でも絶対に言わんぞ。くそ〜レオの奴め〜、私は臭くない!」
「レオに臭いって言われましたか…」
「なぜ分かった!?」
「今、思いっきり言いましたよ」
「マジで!?今度から気をつけよう…」
その時、唐突にどこからか声が聞こえた。
「だぁー!もう、裏切り者でもいいから合流したいよ!」
勿論この2人の耳にも聞こえた。
「今の声って……」
「あっちだー!」
「あー!太子、闇雲に行くと返り討ちに合いますよ!」
後ろの男も、追いかけていった。
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「しまった〜。敵が来たらどうしょう」
自分の後悔も、今や後の祭りとなったころの事。
ここを離れないと誰かが来る。最悪の場合、敵が。
歩道の曲がり角目掛け急いで駆け出す。
そして、角を曲がろうとした瞬間。何かにぶつかり後ろへ尻餅をついた。
「痛たた…何だ一体!?この摂政に激突するとは!」
ぶつかったのは青いジャージの男。間違いなく敵だった。
「あ、さっきの声はお前か〜、よーし。この私、[聖徳太子の化身]こと[スコーピオ]を馬鹿にしたレオをお前を倒して見返してやる!」
その男は、ふところから槍をとりた。何故懐に…って今はどうでもいい!とにかく、逃げないと…。
そう思うのだが腰が抜けてうまく立てない。なんで肝心な時に動かないんだと自分を恨む。
「覚悟しろ!とりゃぁーっ!」
ああ。もうゲームオーバか。そう思って目をつむった矢先。
「あ、外した。ぐわー、抜けないー!」
何だろ…?そう思いつつ、ゆっくり目を開けると、自分の後ろの街路樹に槍が刺さり、男はそれを必死に引き抜こうとしていた。
意外と間抜けで良かった…。そう心の中で安心する。
「妹子ー!早く来いー!」
まずいまずい。応援を呼ばれたらさすがにまずい。
と、急いでビルとビルの間の路地裏へ逃げ込む。最初からこうしてれば良かったな…。なんて本日2度目の後悔をする。
「何やってるんですか太子。木と綱引きですか!?」
「ちがうー!早く妹子も手伝えー!」
「そんな事よりさっきの声の主はどこですか!?」
「そんなもんしるかー!いいから手伝えー!!」
なんて会話が後ろから聞こえたが、そんな事は構わずに一目散に走っていった。