二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: どう森小説「ROMvsバグ」 復活版 誰か来て…(切実) ( No.42 )
日時: 2008/09/11 18:54
名前: イベント三人組 ◆tY1wmpYRPQ (ID: bdGTRweV)

第21話 氷河

 何たる偶然。そしてチャンス。
 自分が最も得意とする環境にとばされるとは、なんたる幸運。
 ウインターエリアの山道。ここを笑顔で歩く人物が一人。

「さーてと、そろそろ出てきたらどうですか?そこの木の陰に居ますよね?」

 さっきからずっと気づいていた。これもこのエリアだから成せる技である。

「さすがだな。やっぱりただ者じゃないようだな」

 木の陰から現れたのは、いかにも身軽そうな緑の髪の青年だった。

「俺は[サザの化身]、[サジタリアス]という名だ」

 初対面の相手には名乗るのがバグ達なのだろう。

「僕はコールです。開始早々会えるとは何かの縁ですかね?」

 相手が名乗ったならこっちも名乗るほかない。

「そうだな。なら、早速いくぜ!」

 サジタリアスが先に仕掛ける。両手に持っていたナイフの片方を投げつけて来た。

「小手調べ…ですかね?」

 そのナイフを、その場をほとんど動かすに、自分の剣ではじいた。
 よけた所を追撃と来る事ぐらい分かる。
 そして休む暇も無く相手へと突っ込み、剣を振る。相手はそれを、残っている左手のナイフで受け止めた。

「お前の剣はなんなんだ。切れないんじゃないのか?」

 鍔迫り合いのまま、サジタリアスが言った。確かにコールの剣は、剣の部分は鉄棒と言った見た目である。

「確かにそうですね。でも、あなたの左手、よーく見てください」

「何!?」

 鍔迫り合いから、両方バックステップを取った。

「お前…何者だ…?」

 サジタリアスは、左手を見て言った。その左手は全ての指が全く動いてない。
 作戦成功。心の中で小さな祝福を上げる。

「そうです。僕の剣は何も切れません。しかし、御察しの通りあらゆる物を凍らせます。それに、この場所では一段と強力になります」

 敵はそれを聞くと、遠距離攻撃態勢に入った様子。さっきより早い、違うナイフを投げて来た。
 だが、甘く見てもらっては困る。そのナイフを、今度は相手へ打ち返した。ナイフは、回転しながらサジタリアスへ向かって行く。

「な…くそっ!」

 跳ね返ったナイフは、直線的に相手へ向かう。相手も避けようとするが、完全に避けきれず、肩を切り裂く。それに続き、今度はコールも続く。ナイフを避けるのに精一杯だったサジタリアスは、突きの一撃を真正面から腹に受ける事になった。

「がっ!!」

 勝った。そして、とどめ。剣に気を集中させる。そして…。

「破ぁぁっ!!」

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「………僕の勝ちです」

 一人の少年の前には、氷漬けとなっている、さっきまでの対戦相手がいる。ただの大きい氷の塊にも見えるそれは、一ミリたりとも動かない。

「フリーズ……ブレイク!」

 その氷の塊に、思いっきり剣を突く。
 氷の塊は、バリィン!という音と共に砕け、その欠片は、地面へと積もって行く。その中に一つ、深い青の石があった。

「なるほど、相手を戦闘不能にすれば宝玉へと変わるんですね」

 コールはその宝玉を取り、ポケットへしまった。そして、地図を取り出す。
 地図の裏には、5つあった[★]が、一つ消えていた。そして表の[ウインターエリア]の文字の下。そこには[ラピスラズリ]と、最初に無かった文字があった。

「ラピスラズリ…ねえ」

 ポケットから改めて、「ラピスラズリ」を取り出す。

「こんな事言うのも難ですが、なかなか面白いじゃないですか」

 今向かっているのは、近くの山小屋。これはその道中の出来事。山小屋へ向かうのは全て彼の直感である。

【サジタリアス(偽サザ) 撃破】
【コール(ROM組) 雪山道にて宝玉入手】