二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: どう森小説「ROMvsバグ」 復活版 誰か来て…(切実) ( No.43 )
日時: 2008/09/14 19:10
名前: イベント三人組 ◆tY1wmpYRPQ (ID: bdGTRweV)

第21話 決断

 スプリングエリア、交差点にて。

「ツ…ツバキよっ!それが何!?」

 剣を前にして良く言えたなと、自分でも思う。下手すれば、いつ首が飛んでもおかしく無い状況。

「そうか…覚えておく」

 って、反応それだけ!?
 小言で言いそうになるが、確実に今の状況では聞こえてしまうので、心の中で押し止めた。
 いつの間にか、顔の右にあった剣も消えていた。
 とっさに後ろを向くと、剣を突きつけて来たであろう男が、背を向けて去って行く姿だった。

「ちょっと!」

 呼び止めた。自分でもどうかしてると思っているが、もう呼び止めてしまった。
 男は、振り向きもせず立ち止まった。そして、

「何か用か?」

 とだけ言った。

「いや…用って程でも無い…けど。あんた、敵だよね?」

 完全に出たとこ勝負の言葉である。

「それがどうかしたか」

 男は、首を横に曲げ、一応こちらを向いているようだ。その鋭い目の重圧に押しつぶされそうになるも、なんとか言葉を切り出す。

「じゃあ、なんで襲ってこないのよ!」

 ようやくまともに喋れるようになったようだ。

「あいにくだが。オレは女や子供に斬りつける剣は持ってない」

 って、こっちは全員未成年なんだけと…。まあ、この人なりの基準はあるんでしょう。

「そう言えば、こちらは名乗ってなかったな」

 そう言い、男は完全に向き直った。

「オレは剣士、[ナバールの化身]の[ピスケス]だ。ツバキといったな、おそらく、もう会うことは無いだろう」

 それだけ言い残し、ピスケスの姿は建物の陰へ消えた。

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 男の姿が見えなくなってから、しばらく立ち上がる前のような体制になっていたが、やがて力が抜けて、後ろに手をついた。
 そしてとりあえず、こう言った。

「女に生まれて良かった〜!」

 おそらくこの立場なら、誰もがつくづくこう思うことだろう。

【ピスケス 移動開始】
【ツバキ 街エリア交差点中央】