二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.104 )
- 日時: 2008/11/07 20:22
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
その夜、アレクは仕事の後でアンにフィルについて聞
くことにした。
「あの、アンさん…。」
「ああ、お疲れ様、アレク。あんた、思ってたより手
際がいいから助かるよ。…しかしその割にはドジだね
ぇ。タバサちゃんとラグナをこっそり見に行ったら、
湖に落っこちるなんて。」
「あ、あははは…。えっと、それでフィルさんのこと
なんですけど…。結局どういうことだったんですか?
落とすのは難しいとかなんとか…。」
「…町長さんから聞かなかったかい?フィルちゃん、最近元気がないって。」
「え、ええ。聞きましたけど…。」
「その元気のない理由が、あんたが今日見てきたものさ。」
…?つまり、フィルさんが元気がないのはラグナさん
とタバサさんに原因があるということか?だとすれば…。
「もしかしてフィルさん、ラグナさんの事を…。」
「ああ、そういうことだよ。」
なるほど、そういうことだったか。
「まあ、ラグナさん、なんでもできる人ですしね…。」
「ふふっ、分かってないねえ。フィルちゃんがラグナ
のことが好きなのは、そういう理由からじゃないよ。」
「そうなんですか?」
「ま、遅かれ早かれ分かるだろうから話してあげるけ
ど…実はフィルちゃん、ちょっと前までは病気ですご
く疲れやすい体だったんだよ。」
「え?!でも今はすごく元気で…。」
「そう。一年ほど前からずーっと原因不明で、エド先
生でも全然手も足も出なかったんだよ。…でもラグナ
は、フィルちゃんの病気の原因を突き止めた…。」
「なんだったんですか?」
「呪いの石さ。」
「呪いの石って確か…邪悪な呪いのかけられた石で、
見た目はその辺の石ころとほとんど変わらないっていう…。」
「うん、そう。詳しいことはよく知らないけど、フィ
ルちゃんはその石をずっと持ってたせいで、病気に悩
まされ続けてきたんだよ。ラグナは、その病気からフ
ィルちゃんを救ったんだよ。フィルちゃんにとってみ
れば、ラグナは自分を助けてくれた王子様みたいにみ
えるのかもしれないねえ…。」
「でも…でもそれって変ですよ!」
「え?何がだい?」
「そこまでしておいて…どうしてラグナさんはフィル
さんの気持ちに応えてあげなかったんですか!?」
「……あんたの言いたいことは分かるよ。でもねアレ
ク、ラグナは困った人見ると、放ってはおけないやつ
なんだよ。それはアレクにもわかるだろ?」
「確かにそうですけど…でもフィルさん、今すごく苦
しんでるじゃないですか…。フィルさんがそんなにも
苦しんでるのに、ラグナさんは…。」
「さあさあ、もう寝な。そんなに納得いかないなら、
自分でラグナに言えばいいじゃないか。きっとアレク
にも、ラグナにはラグナなりのやり方があるってこと
が分かるはずさ…。」
「はあ…。」
「さ、明日もバンバン働いてもらうよ。早く寝るんだよ。」
「はい…。」
アレクは長いこと考えていた。あのラグナが、人を弄
ぶような人だとは思わない。だがそれでも納得いかな
かった。せめてラグナがとった行動で、フィルがどん
な思いをしているか知ってもらいたいと思いながら、
アレクは眠りに着いた。